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尹大統領の自宅前で梁山の「罵詈雑言録音ファイル」再生…報復集会

登録:2022-06-15 02:35 修正:2022-06-15 08:08
「ソウルの声」瑞草洞の尹大統領自宅前で対抗集会 
騒音基準65デシベル超え…市民「うるさい」 
前・現大統領誹謗集会、ユーチューバーの金儲けに転落との指摘も
ネットメディア「ソウルの声」の関係者らが14日午後、尹大統領の自宅のあるソウル瑞草洞のマンション前で、梁山の文前大統領の自宅前の保守団体による罵詈雑言デモについて「執務室前でも可能」と述べた尹大統領を批判し「対抗デモ」を行っている=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 「うるさいかもしれないが、ご了承願いたい。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が執務室前でも可能だと述べ、法に則ってやれと言っているので、我々もそうする」

 インターネットメディア「ソウルの声」のペク・ウンジョン代表が14日午後1時40分ごろ、ソウル瑞草区(ソチョグ)のソウル回生裁判所正門近くに車を止めて集会を行った。往復6車線の道路の向かいには、尹錫悦大統領の自宅のあるマンションがある。

 ペク代表は、この日の集会が文在寅(ムン・ジェイン)大統領の慶尚南道梁山(ヤンサン)の自宅前で行われている極右団体などによる罵詈雑言集会に対する「報復」の性格を持つものであることを明らかにしている。「ソウルの声」は「梁山の罵詈雑言騒音デモを中止することを求めたが、相手側が警告を無視した。我々も予定通り強行する」と述べた。

 尹大統領は7日に、文在寅前大統領の自宅近くで行われる罵詈雑言集会について「大統領執務室前デモも許可されている状況だから、法に則っていれば良いのではないか」と述べている。これをめぐっては、警察が禁止を通告した龍山(ヨンサン)の大統領執務室前の集会を裁判所が相次いで許可したことに不満を表わしたものだという評価とともに、公的空間である大統領執務室前を田舎の村と同級に扱って比較するのは話にならないという批判もあがっている。

 集会開始前、「ソウルの声」は低俗な表現が使われている梁山での罵詈雑言集会の録音ファイルを再生し、ケンガリ(伝統打楽器のひとつ)と太鼓を叩いた。尹大統領の夫人のキム・ゴンヒ女史を誹謗したりもした。この過程で集会騒音基準(一般住宅街は65デシベル)を超え、警察から騒音維持および中止命令を受けてもいる。ペク代表は「85デシベルが基準だと思った。警察の基準に合わせて騒音を下げる」と述べた。

 この日の集会場所には、一部のユーチューバーと数日前に似たような場所での集会申告を行った極右団体「新自由連帯」も入り乱れ、騒音で市民が不快な思いを強いられた。回生裁判所の前を通る市民たちの中には、両手で耳を塞ぎながら歩く人もいた。ある市民は「ああ、うるさい」と腹を立てた。匿名の50代後半の瑞草区の住民は「あまりにもうるさいから出てきた。区役所に通報する」と述べた。

 現行の「集会およびデモに関する法」は、大統領官邸などに対する集会規定を設けているが、大統領の自宅前には制限規定がない。匿名の別の瑞草区の住民は「意味のないデモであり、市民が不快な思いをするだけ。制裁すべきだ。尹大統領も梁山のデモについて一言でもあれば、このようなことにはならなかったはずなのに残念だ」と述べた。

 現職大統領と前職大統領の自宅近くで行われる集会が、事実上は一部のユーチューバーの金儲けの手段に転落しているという指摘もある。あるユーチューバーは耳を塞いで通り過ぎる市民たちを撮影しながら「人々が耳を塞いでいくのが見えるか、とても不快な思いをしている」という「コメント」を述べた。別のユーチューバーは「ソウルの声」について「イ・ジェミョン追従者」と批判しつつ、「後援(金銭的に支援)してほしい」と語ってもいる。「ソウルの声」は「金を目的として本集会を企画したわけではない」と話した。

ネットメディア「ソウルの声」の関係者らが14日午後、尹大統領の自宅のあるソウル瑞草洞のマンション前で、梁山の文前大統領の自宅前の保守団体による罵詈雑言デモについて「執務室前でも可能」と述べた尹大統領を批判し「対抗デモ」を行っている=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社
クァク・チンサン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1046952.html韓国語原文入力:2022-06-14 16:08
訳D.K

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