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韓国地方選、省察見られない野党民主党を「再審判」…新政権を後押し

登録:2022-06-02 09:52 修正:2022-06-15 10:23
与党「国民の力」圧勝で「地域の権力交代」 
与党、大統領選挙時より大きな差で勝利 
5・18光州記念式に総出動で統合を強調 
韓米首脳会談も肯定的な影響 
民主党は捜査権分離強行や 
性暴力事件など「失点」ばかり繰り返す
第8回全国同時地方選の本投票が始まった1日午前、ソウル瑞草区の投票所で有権者が第2回投票用紙を投票箱に入れている。7つの選挙が同時に実施されたこの日の投票は、有権者が2回に分けて投票し、投票用紙を2つの投票箱にそれぞれ入れた=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 大統領選挙の84日後に行われた韓国地方選挙で、有権者は与党「国民の力」に票を集め、新政権の国政運営を後押しした。

 2日午前3時30分現在の中央選挙管理委員会の開票結果で、国民の力は17の広域団体長のうち12地域で当選、野党「共に民主党」は5地域で当選した。2018年の地方選挙では、大邱(テグ)・慶尚北道を除く地域で全敗した国民の力は、4年ぶりに雪辱を果たし、安定した国政運営の動力を得ると同時に、2024年の総選挙で有利な立場に立つための足場を確保した。

 特に今回の地方選挙の最大激戦地だった首都圏で、国民の力の躍進が目立った。2018年の地方選挙では、民主党がソウル・仁川・京畿の広域団体長選挙ですべて20ポイントの差で大勝をおさめた。しかし、今回の地方選で国民の力は4年ぶりにこれら3地域のうち2地域で結果を覆した。

 今年3月の大統領選と比べても、国民の力の躍進は目立った。3カ月前の大統領選において、尹錫悦(ユン・ソクヨル)当時「国民の力」大統領候補がイ・ジェミョン民主党候補に4.83ポイント差で勝ったソウルの場合、今回は国民の力のオ・セフン候補(58.56%)が民主党のソン・ヨンギル候補(39.75%)を18.81ポイント差(開票率73.81%)で大きく引き離した。大統領選でイ・ジェミョン候補が1.86ポイントリードした仁川では、国民の力のユ・ジョンボク候補(51.74%)と民主党のパク・ナムチュン候補(44.68%)の差が7.06ポイント(開票率94.36%)に広がった。イ・ジェミョン候補の票田である京畿道では、ぎりぎりの接戦を繰り広げた末、民主党のキム・ドンヨン候補が国民の力のキム・ウンヘ候補を8000票余りの差で破り、かろうじて当選した。

 政界内外では、党の主要人物を5・18光州民主化運動記念式に総出動させ「統合」を強調し、韓米首脳会談を通じて指導者の姿を浮き彫りにした尹錫悦大統領の行動が選挙の勝利に功を奏したという分析が出ている。朝鮮大学のチ・ビョングン教授は「尹大統領が光州(クァンジュ)を訪問し、(中道層に向けた)積極的な求愛に乗り出し、韓米首脳会談を通じて国家の指導者としての役割を本格的に始めたことが肯定的な影響を及ぼした」とし「地方自治体の場合、中央政府の財政支援が大きな関心事であるため、政権与党に有利な部分もある」と述べた。選挙終盤に国民の力が補正予算案を通過させ「予算爆弾」を強調したのも、このような脈絡だ。

 「親の七光り」問題が大きくなったキム・インチョル社会副首相兼教育部長官候補とチョン・ホヨン保健福祉部長官候補が自ら辞退するなど、尹錫悦政権の初内閣の人事の乱れが明らかになったが、尹大統領が地方選挙を目前にして女性長官候補を積極的に指名するなど収拾に乗り出し、悪影響が相殺された側面もあるようだ。

 「尹錫悦効果」は、「大統領の支援」を後ろ盾にして地方選に出馬した候補たちが善戦したことで際立った。4月初めまでは支持率が10%台だったキム・ウンヘ候補は、党内予備選で尹大統領の政敵だったユ・スンミン前議員を破った後、支持率が上がり、キム・ドンヨン候補と接戦を繰り広げた。尹錫悦大統領の特別顧問だったキム・ヨンファン忠清北道知事候補(59.42%)も、ノ・ヨンミン民主党候補(40.57%)を18.85ポイント(開票率57.7%)差で引き離した。

 今回の地方選の結果は、大統領選敗北後、きちんと省察の姿勢を見せることができないまま内輪もめを続けた民主党に対する「再審判」の性格が強い。「離党」の小細工を使って「検察捜査権分離」を強行し、人事聴聞会の局面では鋭い検証よりも失敗を連発し、足の引っ張り合いを演じたため、民主党が掲げた「国政牽制論」が力を得られなかった。パク・ワンジュ議員の性暴力事件や、ユン・ホジュン、パク・チヒョン共同非常対策委員長の間での摩擦も、「民主党再審判」に強い一撃となった。

 ソウル大学のパク・ウォンホ教授は「民主党のリーダーシップ不在が敗北の原因とみられる」とし「大統領選挙後3カ月の間に新しい選挙を行うにもかかわらず、リセットのムードも与えられなかったという点で、戦略の失敗」と述べた。仁川大学のイ・ジュンハン教授も「党指導部が混乱に陥っている状態で求心点もない民主党に、有権者が失望した結果」と分析した。

ソン・チェ・ギョンファ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1045373.html韓国語原文入力:2022-06-02 07:20
訳C.M

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