日本軍「慰安婦」問題の解決を求める正義記憶連帯(正義連)の水曜集会をめぐり、保守団体と反日団体間の衝突が続いている。「段階的な日常回復」(ウィズコロナ)で集会制限措置が緩和されたことで、しばらく見られなかった双方の対立が再び浮き彫りになったのだ。
10日、正義記憶連帯(正義連)が毎週水曜デモを行っていたソウル鍾路区中学洞(チョンノグ・チュンハクドン)の旧日本大使館前にある「平和の少女像」前で、保守系の市民団体「自由連帯」と、「反安部反日青年学生共同行動」(反日行動)が集会場所をめぐり対峙した。両団体の対峙は前日の9日早朝からこの日午後まで続いた。前日午前5時30分頃、「自由連帯」が少女像の前にトラックを止めると、「反日行動」の活動家たちが集まり、少女像前の場所を取るための座り込みを始めた。
両団体の対立は昨年5月から始まった。自由連帯が、正義連理事長を務めたユン・ミヒャン議員(無所属)の後援金流用疑惑が浮上した後、平和の少女像前でのデモに関する集会届を提出し、場所を先取りしたためだ。反日行動は平和の少女像を守るため、自由連帯が先取りした集会会場で座り込みを行ったが、新型コロナウイルスの感染拡大による集会制限で、両団体の対立は小康状態に入った。しかし、今月から段階的な日常回復で集会が可能になり、自由連帯が同じ場所に対する1カ月分の集会届を出したことで、再び軋轢が生じた。
同日午前11時30分頃、両団体は警察と警察が立てたフェンスをはさんでマイクと拡声器などを用いて対峙した。「慰安婦詐欺に対する国政調査を直ちに実施せよ」、「女性家族部と正義連にだまされるな」などと書かれたプラカードを持った自由連帯の集会参加者たちは「慰安婦は真っ赤なウソ」、「違法集会だから早く解散せよ」と叫んだ。反日行動は「少女像政治テロを糾弾する!日本軍性奴隷制問題の公式謝罪と法的賠償(を求める)」などと書かれた横断幕を広げて対抗した。反日行動は「少女像を侮辱し、テロすることを座視することはできない。少女像の前であんな行為をすることがなくなるまで、座り込みを続ける」と主張した。
同日、少女像の周辺にはカメラを持ったユーチューバー約10人と、自由連帯と反日行動をそれぞれ支持する市民約30人が集まって混乱が起きた。自由連帯が少女像前の道路1車線を占拠し、警察が一時車両を統制した。両団体の活動家たちが衝突を続け、警察が彼らを引き離す場面もあった。
28年目にして集会場所を「奪われた」正義連の第1517回水曜集会は、同日正午から少女像近くにある聯合ニュース本社前で約1時間にわたり行われた。35人ほどの参加者たちは寒さ対策でマフラーと毛布を巻き、カイロを手に持って「日本政府は慰安婦被害者に公式謝罪し、法的賠償を実施せよ」と叫んだ。