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産経新聞ソウル支局長裁判などに介入した容疑のイム元部長判事、控訴審でも無罪

登録:2021-08-13 06:31 修正:2021-08-13 07:23
司法行政権を乱用し、裁判に介入した容疑を受けているイム・ソングン元部長判事が今月12日午後、ソウル瑞草区のソウル高裁で開かれた控訴審判決公判に出席するため移動している/聯合ニュース

 ヤン・スンテ元最高裁(大法院)長官時代に裁判に介入した容疑で起訴されたイム・ソングン元部長判事が、控訴審でも無罪を言い渡された。

 12日、ソウル高裁刑事3部(パク・ヨンウク裁判長)は職権乱用権利行使妨害の罪で起訴されたイム・ソングン元部長判事に一審と同じ無罪を言い渡した。イム元部長判事は2015年、ソウル中央地裁刑事首席部長判事として、セウォル号惨事当日、朴槿恵(パク・クネ)前大統領の足取りに関する推測記事を報道し、名誉毀損の疑いで裁判に持ち込まれた加藤達也前「産経新聞」ソウル支局長の裁判に介入した疑いなどで起訴された。同地裁は判決理由について、「不適切な裁判関与行為」としながらも、「越権行為については職権乱用権利行使妨害罪が成立しない」と判断した。

 これは「イム元部長判事の裁判関与行為がソウル中央地裁の刑事首席部長判事の一般的な職務権限に属すると解釈される余地がなく、職権を乱用したとはみられない」として無罪を言い渡した一審の結論と類似している。裁判官独立の原則からして、刑事首席部長判事だったイム元部長判事に裁判業務を指揮・監督する権限がないため、職権乱用権利行使妨害罪が成立しないという趣旨だ。

 控訴審では、「民主社会のための弁護士会(民弁)」弁護士らによるソウル中区(チュング)の徳寿宮(トクスグン)大漢門前での集会事件を担当した一審裁判長に対し、判決文の量刑理由を修正するよう命じた容疑についても、やや不適切だったと判断した。プロ野球選手の賭博事件を略式命令で終結させた容疑も不適切なところがあったとの判断を示した。

 しかし同高裁は「一般的な職務権限の範囲を超える越権行為については、職権乱用権利行使妨害罪が成立しない」とし、「イム元部長判事の裁判関与行為が訴訟指揮権の行使を妨害したとは言えず、強要もなく、職務遂行の過程で遵守すべき原則や基準、手続きなどに違反していない」として、無罪を言い渡した。

 イム元部長判事は無罪判決直後、記者団に対し、「私の行為で裁判権行使が妨害されたことがない点が一審に続き控訴審でも明らかになり、幸いに思っている」としながらも、「理由のいかんを問わず、国民にご心配をおかけして申し訳ない」と述べた。

チョ・ユニョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1007449.html韓国語原文入力: 2021-08-13 02:41
訳H.J

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