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産経記者裁判に介入した判事の弾劾案、韓国国会で可決…憲政史上初の裁判官弾劾訴追

登録:2021-02-05 06:28 修正:2021-02-05 07:57
在席288人…賛成179票、反対102票、棄権3票、無票4票で可決
イム・ソングン釜山裁部長判事=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 「司法壟断」にかかわった釜山(プサン)高裁のイム・ソングン部長判事に対する弾劾訴追案が国会で可決された。現職判事の弾劾案が可決されたのは憲政史上初めて。イム判事の弾劾は憲法裁判所の判断で最終決定される。

 4日午後に開かれた国会本会議で、弾劾訴追案は在席288人中賛成179票、反対102票、棄権3票、無票4票で可決された。賛成179人は、今回の弾劾訴追案発議に参加した議員規模(161人)だけでなく、弾劾案可決定足数(在籍議員151人以上)を超えた数字だ。表決に入る前、元判事のイ・タンヒ共に民主党議員は弾劾案提案説明で「判事が憲法を違反しても何の処罰も受けず、庶民は想像できない報酬の前官特恵を享受し、公職に復帰する、そのような悪循環を断ち切らなければならない」とし、「圧倒的な票で可決してほしい」と要請した。

 これに先立ち、今月1日、民主党のイ・タンヒ議員や正義党のリュ・ホジョン議員、開かれた民主党のカン・ミンジョン議員、国民所得党のヨン・ヘイン議員など4政党の所属議員らは、国会事務処議案課を訪れ、イム判事の弾劾訴追案を提出した。弾劾訴追案には国会議員161人が名を連ねた。民主党は議員らの自由投票に任せることにしたが、イ・ナギョン代表やキム・テニョン院内代表ら指導部全員が賛成を表明し、事実上党方針と見なされた。

 キム・テニョン院内代表は本会議前に開かれた議員総会で「裁判所内部でも違憲的行為だったと数回にわたり指摘している。憲法を明示的に違反した裁判官に対して弾劾訴追できる唯一の機関である国会が責務を果たせるよう、協力してほしい」と呼び掛けた。

 イム部長判事はソウル中央地裁刑事首席部長判事だった2015年12月、朴槿恵(パク・クネ)当時大統領と関連し、「セウォル号(事件の際の空白の)7時間」疑惑を報じた産経新聞の加藤達也元ソウル支局長の名誉毀損裁判を控え、裁判長のイ・ドングン部長判事に「判決の前に、その内容を報告してほしい」として、判決文の作成に介入した。イム部長判事はこの件に関する裁判で、一審では職権乱用で無罪を言い渡されたが、裁判所は「イム判事の行為は憲法違反だ」と判断した。

 裁判官弾劾訴追発議は憲政史上3度目だが、国会で可決されたのは今回が初めて。1985年のユ・テフン元最高裁長官に対する弾劾訴追案は、在席議員247人のうち賛成95票、反対146票、棄権5票、無効1票で否決された。2009年、狂牛病(BSE=牛海綿状脳症)牛肉輸入反対ろうそく集会の裁判介入疑惑を受けたシン・ヨンチョル最高裁(大法院)判事に対する弾劾訴追発議は、72時間以内に採決が行われず、自動廃棄された。

キム・ウォンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/981831.html韓国語原文入力:2021-02-04 16:21
訳H.J

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