世界の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)累積感染者が5000万人を超えた。防疫当局は、天候が寒くなるほど室内活動が増え、国内外での拡散傾向が高まる可能性があると見ている。医療界は冬の流行に備え、高齢層などCOVID-19高危険群の集団感染を防止するため、迅速抗原検査を導入する必要があると提案した。
9日、米国のジョンズ・ホプキンス大学のCOVID-19統計によると、全世界のCOVID-19感染者数は5031万6476人、死亡者数は125万5250人。昨年12月31日に中国が正体不明の肺炎発生を世界保健機関(WHO)に報告してから313日。国別では米国が996万人で1位、インド(850万人)、ブラジル(566万人)、フランス(183万人)、ロシア(176万人)が2~5位。韓国の防疫当局も、急激な国外での発生状況を注視している。中央防疫対策本部(防対本)のイ・サンウォン疫学調査分析団長はこの日の定例ブリーフィングで「冬が近づく北半球の季節的・地理的要因、そして長い間の防疫措置で疲れて緩んだ社会のムードなど、多くの要因のためとみられる」と分析した。
韓国内でも冬場の流行が広がることに備え、医療界では、精度は低いものの検査の所要時間を大幅に短縮する迅速抗原検査の導入を提案した。新型感染症中央臨床委員会のオ・ミョンドン委員長(ソウル大学病院感染内科教授)はこの日、「冬の危険集団のCOVID-19集団発症対応シンポジウム」で「冬の流行に備えて最も重要なことは、地域社会の流行が致死率の高い老齢層に流れ込まないよう防ぐことだ」とし「(診断時間が15~20分程度の)迅速抗原検査を活用し、療養施設などでの集団感染発生時に(構成員を)迅速に診断し、隔離措置することができる」と説明した。迅速抗原検査を活用して高危険群である集団施設の全数検査を行えば、無症状・軽症患者を通じた施設内での拡散をより早く抑制できるというのだ。オ教授は「(一つの集団内に感染者がいる場合)ウイルス排出期間を減らすことが重要だ。(通常、結果が出るのに4~6時間かかる)遺伝子増幅(PCR)検査では限界がある」と付け加えた。ただし、防疫当局は迅速抗原検査の導入に慎重な立場だ。防対本のクォン・ジュヌク副本部長は、先月27日の定例ブリーフィングで「防疫当局も、正確で信頼できる迅速抗原診断キット(検査機器)が地域社会内の静かな伝播を探し出すのに大いに活用されることを願う」としつつも「(迅速抗原検査は)正確さが高くないという限界があるので、最大限高い結果を出す試薬の登場を待っている」と述べている。
この日午前0時現在、韓国内のCOVID-19新規感染者は126人。平日より検査量が減る週末であり、かつ大型の集団感染がなかったにもかかわらず、2日連続で新規感染者数が3桁となっている。イ・サンウォン疫学調査分析団長は「地域社会での小規模な集団発生と、感染者との接触を通じた散発的な発生が増えている」とし、「こうした小規模な流行は感染源の究明が難しいため、流行遮断のための努力が必要だ」と述べた。また、「全世界的に患者の発生が増えている状況で、韓国もその影響を完全に免れることはできない。入国者に対して隔離後に注意しなければならない事項を案内し、入国前に危険な行動がないよう説明するのが第一の管理手段だと思う」と強調した。