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東京ドーム、観客3万動員し「コロナ実証実験」?五輪のためになぜそこまで

登録:2020-11-03 02:28 修正:2020-11-03 06:45
五輪を前に、最大80%の観客収容を容認 
横浜に続き今月7~8日、東京ドームが対象 
屋根があり換気が脆弱、集団感染の恐れ 
「事実上の人体実験ではないか」批判世論も
東京ドーム=東京/聯合ニュース

 日本政府が東京五輪を控え、プロ野球の観衆収容を最大80%まで認めて新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策の効果を検証する実証実験を行っており、物議を醸している。一度に数万人の観客が集まることで新型コロナへの感染の危険性が高まるだけに「事実上の人体実験ではないか」との批判も出ている。

 2日の毎日新聞の報道によると、横浜スタジアムに続き、今週末の7~8日には東京ドームで実証実験が実施される。東京ドームは屋根のある屋内型球場のため、相対的に換気が弱く、集団感染の危険性が高い。政府はスーパーコンピューターを用いて飛沫の影響の検証、マスク着用率の把握、試合前後の球場周辺の感染検証、トイレの混雑度のチェックなどを行う。読売ジャイアンツとヤクルトスワローズが対決する週末の試合には、1日約3万人の観客が入場するという。

 すでに先月30日から今月1日までの3日間、横浜DeNAベイスターズと阪神タイガースの試合が行われた横浜スタジアムでも、新型コロナに関する実証実験が行われている。実験初日には定員の51%、2日目は76%、最終日の1日には2万7850人が入場し、球場定員の約86%を埋めた。現在、大型のスポーツ競技場には定員の50%までしか入場させていないが、実験のためにそれよりも多く入れたということだ。日本政府は、国内スポーツ競技に観客をどれほど受け入れられるかが、五輪に対応する上で重要な基準になると見ている。

 今回の実証実験をめぐり、安全性問題などに対する批判も大きい。球場内でアルバイトをしている大学生は毎日新聞のインタビューで「応援に熱が入ってしまうとソーシャルディスタンスがなくなってしまうかもしれないのが怖い」と懸念を示した。また同紙の30日の報道によると、東京医大の濱田篤郎教授は「現在は『第3波』の入り口に当たり、時期が悪い」と指摘し、続けて「開催準備のタイムリミットが迫っているのだろうが、何か起きたら五輪の開催自体が難しくなる」と述べた。

 現在、日本では今月1日までの1週間で、1日平均約695人の感染者が確認されている。その前の1週間では1日に約571人だったことと比較すると、感染拡散の速度が上がっていると見られる。国立遺伝子研究所の川上浩一教授はツイッターで「今まで反対し続けてきましたが。最悪のタイミングでの横浜スタジアムでの実証実験(感染実験)。もう言葉もありません」と意見を述べている。

キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/968168.html韓国語原文入力:2020-11-02 14:38
訳D.K

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