金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮労働党委員長が「遠からず目撃するようになるだろう」と言及した「新たな戦略兵器」は、「我々の外部環境が並進の道を歩む時も、経済建設に総力を集中するための闘争を繰り広げている今も、全く変わったことはない」と明らかにした部分から出てくる。「依然として敵対行為と核の脅威の恐喝が増大している現実」に対応するための兵器ということだ。この兵器が核抑制力強化に関わっていることを示唆している。
金委員長はいわゆる「クリスマスプレゼント」のように時期を確定させはしなかったが、「遠からず」と繰り返し強調することで戦略兵器の公開が差し迫ったことをほのめかした。金委員長が直接予告したという点で、切迫感の重さが違う。ヤン・ムジン北韓大学院大学教授は「行動に移すのに時間は長くはかからないだろう」として「来月を越えることはないだろう」と予想した。米国防総省はクリスマスは静かに過ぎたが、すぐに訪れる金委員長の誕生日(1月8日)を新たな時点の中の一つとして挙げていると、ウォール・ストリート・ジャーナルが報道している。
新たな戦略兵器の前には「保有するようになる」というレッテルが付けられている。今まで公開されたものとは違った兵器であるか、性能を大幅に改良したものであることを示唆している。専門家はひとまず北朝鮮が先月の7日と13日に東倉里(トンチャンリ)で進めた「重大な実験」に関連性があると見込んでいる。北朝鮮は当時、液体燃料を使う新型2段エンジンをテストし、これはこのエンジンを装着した多弾頭大陸間弾道ミサイル(ICBM)を開発するためのものだという観測を生んだ。2017年11月にテストした「火星15型」に装着したいわゆる「白頭山エンジン」を改良し、多弾頭を発射できるように出力を高めたということだ。軍関係者は「白頭山エンジンは火星15型の射程距離を増やすために急いで開発したもの」として「今回このエンジンの1段と2段をすべて交換するものと見られる」と話した。
目標地点の上空でいくつかの弾頭が分離する多弾頭大陸間弾道ミサイルは迎撃が容易ではない。米国本土まで到達できる火星15型が高出力2段エンジンを装着した多弾頭に改良されれば、脅威の強度ははるかに高まる。パク・ジョンチョン朝鮮人民軍総参謀長は2回目のエンジン実験の翌日に発表した談話で、「実験に使われた新技術は、米国の核の脅威を確固として堅実に牽制、制圧するためのまた別の戦略兵器の開発にそのまま適用されるだろう」と明らかにしている。
米国は北朝鮮の大陸間弾道ミサイル発射をレッドラインとしている。そのため北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射で米国の反応を見ようとするはずだという観測も出ている。北朝鮮は去年10月に水中発射台から潜水艦発射弾道ミサイル「北極星-3型」を打ち上げたことがある。北朝鮮はこのミサイルを「水中戦略弾頭弾」と呼ぶ。北朝鮮が今回は実際に潜水艦からこのミサイルを発射したり、多弾頭を装着した改良型を打ち上げることがあり得る。ミサイルを搭載した新型潜水艦を公開するのも、核抑制力として戦略的意味をもつものだと軍事専門家は指摘する。