「2014ド2946被告カン・ギフン。検事の上告を棄却します」。14日午前10時23分、ソウル瑞草(ソチョ)洞大法院(最高裁判所)1号法廷。裁判長のキム・チャンソク大法官が判決文の主文を読み上げた。仲間の遺書の代わり書いて自殺を幇助した破廉恥犯とされ、獄中生活を余儀なくされたカン・ギフン氏(51)が24年ぶりに汚名を雪ぐ瞬間だった。
傍聴席に座っていたカン氏の知人50人は何も言わずに静かに法廷を出た。ある知人は、所感を訊く質問に、ただ笑いかけただけだった。一世代ほど歳月が流れてからようやく名誉を回復した当事者は、しかし、法廷にいなかった。最近、肝臓がんの手術を受けるなど、健康が悪化したカン氏は、知人たちとも連絡を絶ったまま療養中であると伝えられた。
大法院2部(主審イ・サンフン大法官)は、1991年に全国民族民主運動連合(全民連)社会部長キム・ギソル氏の遺書を代わり書いて自殺を幇助した疑いで拘束起訴され、懲役3年が確定されたカン氏の再審で、検察の上告を棄却し、無罪を確定した。裁判部は「原審の(無罪)の判断は正当なもので納得できる」と述べた。
確定判決は、2008年再審を請求してから7年4カ月後に下された。大法院は、再審請求を認めるのに3年1カ月、ソウル高裁再審裁判所の無罪判決に対する検察の上告理由を検討するのに1年2カ月を費やした。しかし、過去の誤った判決に対しても、確定判決まで時間がかかったことに対しても、謝罪や遺憾表明はなかった。 「カン・ギフンの快復と名誉回復のための市民の会」は、宣告直後の記者会見で「この事件で民主化運動全体が試練を味わった。 24年が過ぎた今日の無罪はあまりにも当然の結果だが、感激というよりは、悲痛であるだけだ」と発表した。
韓国語原文入力:2015-05-14 20:05