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[探査報道]李明博政権の資源外交(7)資源外交疑惑の10人は答えよ

登録:2015-01-30 23:07 修正:2015-01-31 23:33
蒸発した数兆ウォン、疑問と責任
資源外交の疑惑の10人。//ハンギョレ新聞社

 李明博(イ・ミョンバク)政権時代に31兆ウォンが投資された海外資源開発事業において、不良事業の証拠が次々露わになっている。 集計された損失だけでも3兆9000億ウォン(約4200億円、100ウォンは約11円)であり、今後数兆ウォンの損失がさらに発生するかも分からない。 政策立案者と中心的な役割をした関係者たちは現在、知らぬ存ぜぬで一貫している。 国家政策という枠組みの中にすべて「埋めて行こう」というやり方だ。 一部では「資源外交」の功罪を問う行為が資源開発産業全体を潰しかねないという憂慮を提起している。

 しかし、資源開発がもたらした損失は国民が抱え込まなければならない費用として戻って来る。 責任を問わなければならない最も大きな理由だ。 試行錯誤を繰り返さないためにも必要なことだ。 ハンギョレは“不良品資源外交”について絶対に答えなければならない10人を選んだ。 李明博前大統領と彼の兄、当時の総理、長官、資源公企業の社長たちがその10人だ。

 資源外交の“ピラミッド”の頂点には李明博前大統領がいる。 2008年の就任後、資源外交を重要国政課題として掲げ、4%台のエネルギー自主開発率を任期内に25%まで引き上げる計画を立てた。 彼の意思に従って、国家の財政、行政、人材等が海外資源開発事業に総動員された。 彼自身も13回の海外歴訪に乗り出し、資源開発関連の了解覚書を24件も締結した。 このうち18件が成果なく終了した。 李前大統領は資源外交の全体企画者であり、政治的最終責任者であるが、昨年末の国政調査に証人として出席するかどうかを問う質問には「荒唐無稽な話だ」と答えた。

 イ・サンドク元議員やバク・ヨンジュン元総理室国務次長は、ピラミッドの二番目に位置する。大統領の実兄であるイ元議員は、2009年から大統領の代わりに“特使”資格で中南米やアフリカを9回訪れた。 「大統領も気兼ねするほどの」実力者だったため、彼の周りは常に公企業・私企業関係者でにぎわっていた。 イ元議員は資源外交を「人生の第3の転期」と表現するなど、自分の使命のように受け入れたが、彼の歩みの後ろには「8000ドルの賄賂疑惑」(ハンギョレ1月19日付3面)と、金を浪費しただけで成果がないという批判がついて回る。

 李明博大統領当選の1等功臣だったパク・ヨンジュン元国務次長は、「ミスターアフリカ」というニックネームが付くほど、アフリカ事業に集中した。 「総理室の実力者」という評価にふさわしく「エネルギー協力外交支援協議会」など、海外資源開発事業全般を指揮したものとみられる。 総理室は全省庁をカバーできる最も効率的な場所だった。 2010年、彼が関与していたカメルーンのダイヤモンド開発権事業で発生した資源開発会社CNK株価操作事件は、李明博政権の資源外交の最も恥辱的な象徴でもあった。

MBの総指揮の下
国家財政・行政の責任者たちが行動
公企業の社長たち、国庫を食いつぶす

 「資源外交のオーダーメード型総理」として迎え入れられた韓昇洙(ハン・スンス)元総理も、政府政策を調整する役割を果たした。 大統領に次ぐ高位の行政首班として、大統領が行けないところを巡って資源外交を展開した。 彼は計4件の了解覚書を結んだが、3件は成果なく終了した。

 チェ・ギョンファン経済副総理は2009年から1年余り、海外資源開発の主務省庁である知識経済部長官を務めた。 彼の任期中に少なくとも21の海外資源開発事業が進められ、約13兆ウォンの資金が投資された。 しかし、彼は「(資源外交は)総理室が主導した」と言って“言い逃れ”をしている。 朴槿恵政権の実力者副総理でもあり、資源外交に対する現政権の評価を困難にしているという指摘が出ている。

 ピラミッドの下層には石油、ガス、鉱物など資源関連の公企業が存在する。 これらの企業には李明博前大統領と縁のある(訳注:李前大統領と同じ、高麗大学出身・現代グループ出身・ソマン教会所属などを指す)実力者社長が配置された。 公社の社長は主に産業部出身の官僚が“天下り”で行くのが慣例だったが、彼らは一層特別だった。

 大宇インターナショナル出身のカン・ヨンウォン前石油公社社長は、ソマン教会(訳注:李前大統領が長老を務める教会)に通っていた。 彼は、石油公社大型化戦略に従い、ペルーのサビアペルー社とカナダのハーベスト社買収など、創業以来行われた大部分の大型買収・投資事業を陣頭指揮した。 しかし、ハーベスト事業だけで既に1兆ウォンを超える損失が発生している。「参与連帯」と監査院が検察に告発するなど、カン前社長に責任を問う作業は既に始められている。 2008~2009年に石油公社副社長を務めたソ・ムンギュ現石油公社社長は、サビアペルーの買収を主導するなど、不良投資のもう一つの軸だ。

 高麗大学出身で大統領職引継ぎ委員だったキム・シンジョン前鉱物公社社長は、李前大統領と任期を共にしながら、ボレオ銅山とアンバトビーのニッケル鉱物事業などに数兆ウォンを投資した。 この過程で民間企業に数百億ウォンの特恵性恩恵を与え、背任の疑いも受けている。 現代グループ出身のチュ・ガンス元ガス公社社長は、カナダ・ホーンリバーとウェストカットバンク、ウミアク ガス田投資に核心的な役割をした。 これまで3カ所に1兆366億ウォン(1月現在)が投じられたが、6050億ウォンを超える損失が確定するなど、公社に大きな損失を与えている。

 ガス公社としては初の生え抜き社長昇進者であるチャン・ソクヒョ前ガス公社社長は、チュ・ガンス元社長と共にこれらの不良事業投資を推進した。 彼はバージ船業者である統営曳船の代表だった2012年に、私的用途で法人カードを使った容疑などが明らかになり、この20日に社長から解任された。

チェ・ヒョンジュン、リュ・イグン、イム・インテク、キム・ジョンピル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/674938.html 韓国語原文入力:2015/01/23 08:14
訳A.K(2617字)

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