裁判所、セウォル号船長の殺人罪は認定せず…懲役36年宣告
負傷した調理士を放置して脱出した機関長には殺人罪を適用
「大勢が死んだのに」「いっそみな釈放しろ」と激しく反発
イ・ジュンソク セウォル号船長(69)に対する殺人罪は認められず懲役36年が宣告された。また、負傷した調理士を放置して船から脱出したセウォル号の機関長パク氏(53)に対しては殺人罪の容疑が認められ懲役30年が宣告された。
304人が犠牲になったセウォル号事故の宣告公判が事故発生から210日経った11日に開かれた。
光州(クァンジュ)地裁第11刑事部(部長判事 イム・ジョンヨプ)は、この日午後1時に第201号法廷で開かれたイ・ジュンソク船長と乗務員14人に対する裁判でこう宣告した。 裁判所は残りの乗務員13人に対しては懲役5~20年を宣告した。
裁判所は「イ船長が海洋警察の警備艇が到着する頃、2等航海士に『乗客を退船させろ』と指示をした」として「検察が提出した証拠だけでは、船長の行為により、乗客が死亡しかねないという認識を越え、それを容認する意志があったとは見難い」と明らかにした。
一方、裁判所は機関長のパク氏に対しては重傷を負った調理部乗務員2人を放置した点を挙げて「不作為による殺人罪」を認めた。
裁判所は1等航海士カン氏(42)と2等航海士キム氏(46)に対しては、それぞれ懲役20年と懲役15年を宣告した。 また、3等航海士パク氏(25・女)と操舵手チョ氏(55)に対しては懲役10年を宣告した。この他に見習1等航海士シン氏(33)には懲役7年を、残りの操舵手2人と機関部乗務員6人など計8人にはそれぞれ懲役5年を宣告した。
この日の裁判を傍聴したセウォル号遺族たちは判決に激しく反発した。遺族たちは「ひどすぎます」、「いったい何人の子供たちが死んだのか…」、「私たちの子供たちの命の価値はこれだけなのか」、「いっそのことみな釈放しろ」と叫び、嗚咽を漏らした。
検察はこれに先立ち、先月27日に開かれた結審公判でイ船長に殺人罪を適用し死刑を求刑した。また、船長と共に殺人容疑が適用された1等航海士カン氏(42)、2等航海士キム氏(46)、機関長パク氏の3人に対しては無期懲役を求刑した。 当直航海士・操舵手を務めていた3等航海士パク氏(25・女)と操舵手チョ氏(55)には懲役30年、見習1等航海士シン氏(33)には懲役20年、残りの操舵手2人と機関部乗務員6人など計8人には懲役15年がそれぞれ求刑された。