本文に移動

ソウルのある自私高教師 49人中47人が「一般高校に切り替えるべき」

登録:2014-07-09 21:56 修正:2014-07-10 07:53
5月11日、ソウル江南区(カンナムグ)駅三洞(ヨクサムドン)の真善女子高等学校で開かれた‘2015高校入試説明会’に訪れた父母と生徒たちが全国自律型私立高校および特別目的高校の入試情報などに関連した説明を聞いている。 ニューシス

自律型私立高校への転換当時より16%増え
父母の要求が多く、子供たちは依存的
内申成績が下がって学業意欲に逆効果
「雰囲気が良かった以前の一般高校の水準」

「自律型私立高校転換の時に80%だった教師反対比率が、昨年は96%に増えた。」

 ソウルK自律型私立高校のある教師が9日<ハンギョレ>に伝えた自律型私立高校関連教師賛否投票の結果だ。 昨年1学期に正教師49人を対象に自律型私立高校維持の可否を尋ねたところ、2人を除いて全員が一般高校に切り替えなければならないという意見を出した。

 当初、自律型私立高校への転換に反対した教師たちは、共通して二点を挙げた。 まず「優秀な子供たちだけを集めて教えて、そうでない子供たちは捨てろという話か」という教育哲学的反対が強かった。 「新入生が募集できなければ月給もまともに受け取れなくなるのではないか」という現実的な不安も大きかった。

 特に自律型私立高校への転換初期、一般高校の3倍にもなる学費を払った父母たちの要求水準と期待水準が過度に高かった。 教師の月給はそのままなのに、父母たちは‘三倍以上’の業務を堂々と要求した。 以前はなかった各種教育プログラム運営や倫理・体育教科目の縮小要求は当たり前のことだった。 K自律型私立高校のまた別の教師は「先生に向かって毎晩、夜間自習の監督をして欲しいという要求を当然のようにした。 子供に関心が高く、ささいなことでも干渉が激しかった。 「‘子供が調子が悪いと言えば遅刻しても良いではないか’として、遅刻チェックを消してほしいという等のとんでもない異議提起もあった」と伝えた。

 自律型私立高校の実際の目標は‘入試名門校’だが、大学入学結果が‘名門大入学’という父母の目標水準に至らないケースが多かった。 K自律型私立高校の教師は「中学校の内申基準で平均で上位26%台の子供たちが入学してくる。 ソウル圏の大学に合格できる子供たちが、一般高校では一クラスで3~5人ならば、自律型私立高校では15人程度と多い。 だが、最上位圏大学に行く子供たちは、やはり特別目的高校に行く」と話した。

 相対的に優秀な生徒が集まっていて、中学校の時より内申成績が下がるので勉強をあきらめるという問題も出てきた。 この教師は「子供たちが精神面が弱いということを強く感じている。 塾にも通い課外も受けるが、内申で成績が下がれば学業意欲が落ちる結果として現れる」と話した。 実際、この学校は2013年11月に実施された国家水準学業達成度評価で、高校進学後に学歴がどれくらい向上したかを示す‘向上度’が近隣のR一般高校より低かった。 K自律型私立高校の向上度は国語1.5%、数学1.4%、英語0.6%だったが、R一般高校は国語2.6%、数学1.7%、英語1.7%と現れた。 当初優秀な生徒を選んだという‘選抜効果’以外に、‘学校効果’が一般高校より低いという意味だ。

 K自律型私立高校の教師は、数年間自律型私立高校を経験をした父母たちの間で最近変わった期待水準を伝えもした。 ある教師は「父母たちも初期には過度な期待が多かった。 だが、今はタバコを吸ったり問題を起こす生徒が少なくて、環境が類似した子供たちどうしで交友関係を結ぶことができるという程度で満足している父母が多い」と話した。

 ある教師はK自律型私立高校の現在の状況を‘雰囲気が良かった以前の一般高校水準’と評価した。 授業の雰囲気が良く、生徒管理がやりやすいとは言えるが、教育的に大きく変わっていないという話だ。 事情がこのようであれば、周辺の一般高校荒廃化の主犯に名指しされ、学費は3倍も払って、いったい何のために自律型私立高校でいるのかという不満の声が出て来る。 K自律型私立高校の教師たちは「納得が行かない状況だ。 自律型私立高校では特別なことがないのに、一般高校が受けている被害は甚大だ。 周辺にある一般高教師の友達が死にそうだと喚くのを見れば」と、苦しい心情を伝えた。

 また別の教師は「李明博政府の時に高校多様化を名分にして自律型私立高校を作ったが、自律型私立高校の子供たちの多様性は反対に破壊された。 両極化による社会葛藤を解消するには、相互の理解と共感が必要だが、似かよった子供たちだけで疎通する望ましくない文化が形成された」と憂慮した。 ‘他人の人生症候群’に対する憂慮もボツボツと出された。 「以前の一般高校の時には、子供たちが恥ずかしがって母親に管理されているという話はなかなかできなかった。 だが、自律型私立高校の子供たちは、誰彼なく母親の管理を受けているので、それを当然のこととして受け入れる雰囲気だ。 学校からも世話を受けようと考えるので責任感も不足している。 自分の人生をあたかも両親のためのように考える現象もここでは現れている。」

 だが、この学校の教師たちも他の自律型私立高校より先に一般高校に切り替えることには踏ん切りがつかないだろうと予想した。 ある教師は「教育庁が一気に自律型私立高校指定の取消をすべきだ。1,2校、または3,4校ずつ退出する形で行えば、それぞれが顔色を伺いながら自律型私立高校維持を図るだろう。 卒業生と父母もそう要求するだろう。 そうなれば、いくつかの定員未達の自律型私立高校だけが脱落して、生き残った学校には競争力が生まれ、一般高校への転換がさらに困難になるだろう」と話した。

チョン・ジョンユン記者 ggum@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/646263.html 韓国語原文入力:2014/07/09 20:08
訳J.S(2503字)

関連記事