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「両非論は北に免罪符」…大統領府、北刺激発言 連発

登録:2013-06-14 17:11 修正:2013-06-15 06:34
高位関係者「政府誤りないのに一緒くたにして批判」と不満表出
専門家「南北関係にマイナス」…与党内でも「省察が先」
リュ・ギルチェ統一部長官とキム・ヒョンソク統一部スポークスマンが12日午前、ソウル市鍾路区(チョンノグ)三清洞(サムチョンドン)の南北会談本部で開かれた南北当局会談開催中止対策会議に参加するところ。 2013.06.12.ニューシス

 南北当局会談の開催が失敗に終わった後、北を批判する大統領府の発言水位が度を越している。 大統領府自ら北を刺激する感情的な表現を所構わず使うかと思えば、過去の政府と一線を画すという理由から大統領府が先頭に立って“南内部の葛藤”を煽っているという指摘も出ている。

 大統領府の高位関係者は12日夕方、会談開催中止に対するマスコミの報道に言及して「我々は会談を止めようというのではない。 会談を保留しようと言ったのは向こうなのに、北の誤りを明確に指摘しないで両非論を主張するのは望ましくない」と批判した。 政府は間違っていないのに、野党や学界を動員したマスコミの報道が南北双方を一緒くたにして批判したと不満を表出したのだ。

 彼はさらに「政府が推進しようとしている原則ある対北政策の基調に(言論が)協力してもらえれば有難い」として「両非論は北に免罪符を与えようということ」と規定した。 彼は「(北の)誤った部分は誤ったこととして指摘してこそ発展的かつ持続可能な南北関係が成り立ち得る」と主張した。 「対話の門はいつも開いている」と強調しながらも、ほかでもないその対話の相手である北に“罪人”の烙印を押し、専門家たちの診断と言論の報道態度まで問題視しているのだ。

 この関係者は前日会談の開催が失敗に終わった直後にも刺激的な発言を吐き出した。

 彼は11日、「過去に(南北会談で)やってきたように、そのように相手に“屈従”や“屈辱”を強要する形でやるのは望ましくない」と発言した。 金大中政府以降、慣行のように繰り返された南北会談代表の形式を“屈辱”“屈従”と規定して過去の政府の南北関係改善努力をさげすんだのだ。

 大統領府内部ですら「過去の政府との差別性を浮彫りにさせようという趣旨は分かるけれども、前政府の人々とその支持者を“屈従”と規定するのは行き過ぎだ」という評価が出ている。

 このため、大統領府の行き過ぎた関与を憂慮する声も大きくなっている。 ヤン・ムジン北韓大学院大学教授は「現在、南北関係の最高専門家は統一部だ。 統一部に任さなければいけない。 このように敏感な時期に大統領府がしきりに発言するのは南北関係の発展に全く役立たない」と指摘した。 キム・ヨンチョル仁済(インジェ)大統一学部教授も「大統領と大統領府が私的にいきなり介入するといった形が繰り返され、その結果、統一部の専門性が発揮され得ず、事態をさらに悪化させている」と指摘した。

 国会外交統一委員会所属のセヌリ党議員の一人は「会談中止を契機に、わが政府が今回取った態度について戦略的に問題がなかったのか反省する必要がある。 大統領自らが『国民に感謝する』と言っていた今回の会談を成立させられなかったのだから、なぜ我々の内部からこのような両非論的な声が出てくるのか、大統領府はむしろ深く省察しなければならないだろう」と話した。

ソク・ジンファン、キル・ユンヒョン記者 soulfat@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/591638.html 韓国語原文入力:2013/06/13 08:36
訳A.K(1529字)

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