日本の防衛相が米国に、日米が朝鮮半島・東シナ海(台湾)・南シナ海を一つの「シアター(戦域)」として把握し、この地域の友好国との軍事協力を強化すべきとする構想を伝えたと日本メディアが報じた。この案が現実化されれば、ただでさえ緊迫している米中対立をさらに増幅させ、在韓米軍の性格の変化など韓国の安全保障にとって致命的となる影響を及ぼす議論を加速化させうる。韓国軍が台湾や南シナ海の紛争にかかわるリスクも高まる。日本は中国との無駄な対立だけを扇動する「無理な構想」はやめ、相互に共存の領域を広げる対話により多くの力を注ぐべきだ。
朝日新聞の15日付の報道によると、中谷元防衛相は先月30日、日本を訪れた米国のピート・ヘグセス国防長官に「日本は『ワンシアター』(一つの戦域)の考え方を持っている。日米豪、フィリピン、韓国などを一つのシアターととらえ、連携を深めていきたい」という考えを伝えた。ヘグセス国防長官は「歓迎する」と明らかにし、その後の石破茂首相との会談の場でふたたびこの話に言及し、友好国間が「連携する重要性」を強調したという。
シアター(戦域)は戦争の際に一つの作戦が実行される地域を意味する軍事用語だ。最終的には、朝鮮半島から台湾がある東シナ海に加え、中国が海域全体に対する領有権を主張している南シナ海までを「一つの戦域」とみなし、みんなで力を合わせて中国に対抗しようという主張だ。この構想が現実化されれば、「韓国防衛」を目的とする在韓米軍の性格が「対中国けん制」の方向に急激に変わることになりかねず、韓国も同じく東シナ海や南シナ海での紛争に協力を要求される可能性がある。
韓国はすでに2023年にキャンプ・デービッドで開かれた韓米日首脳会談を通じて、「共同の利益と安全保障に影響を及ぼす地域的挑戦、挑発、そして脅威に対する対応を調整するため、各国政府が相互に迅速な形で協議する」ことを公約している。実際に朝鮮半島と台湾が同じ戦場として結ばれることになれば、「協議」を越えて「共同対応」の義務を負う可能性がある。中国けん制を最大の目標に掲げるドナルド・トランプ政権の立場としては、これほど都合のいい話はないが、韓国と日本は東アジアで発生する事実上「すべての対立」にかかわるリスクが高まる。韓国と日本の間にも差がある。日本は平和憲法の制約のために、完全な「集団的自衛権」を行使できないが、韓国は違う。韓国の若者が戦場で血を流すことになる可能性もある。「一つの戦域」構想は議論さえ容認してはならない話だ。