本文に移動

殺人請負事件が‘会長秘密資金’疑惑へ

登録:2013-05-24 08:42 修正:2013-05-25 08:26
検察‘イ・ジェヒョンCJ会長捜査’5年ぶりに刀を抜いた理由は?
2008年捜査‘うやむや’… "新たな租税脱漏の可能性"
イ・ジェヒョン CJグループ会長の秘密資金および脱税疑惑に対する検察の本格捜査がなされている中で23日午後ソウル中区(チュング)南大門路(ナムデムンロ)のグループ本社前である職員が芝生に水やりをしている。 キム・テヒョン記者 xogud555@hani.co.kr

 イ・ジェヒョン(53)CJグループ会長の秘密資金と脱税疑惑に対する検察捜査はやや今更の感がある。 積もるだけ積もったホコリをはたいて今になって引き出したためだ。

 イ会長の個人財産管理を受け持ったイ・某(44)財務2チーム長の殺人請負疑惑事件が発生した2008年、検察はイ会長の借名口座など関連証拠と陳述を相当部分確認した。 ‘香港にあるイ会長の秘密資金が3500億ウォンという話を聞いた’という陳述も受けた。 裁判過程でもイ会長の秘密資金に対する証言が出てきたし、最高検察庁中央捜査部も一度触れた経緯がある。 その後、何年も手を後ろに組んでいた検察が突然に刀を抜いた。 捜査の行方と共に背景にも関心が向かう理由だ。

イ・ジェヒョンCJグループ会長

■殺人請負事件が発端

 当初、イ・ジェヒョン会長の秘密資金疑惑は偶然に火が付いた。 当時財務2チーム長イ氏はイ会長の借名財産を管理しながら私債業者パク・某氏に高利で170億ウォンを貸し、資金回収が難しくなるや殺人請負をした疑惑(殺人予備など)で2008年12月に拘束起訴された。 イ氏は2005年4月~2007年4月イ会長の借名株式管理と資金運用業務に当たっていた。 当時ソウル中央地検刑事3部は警察に対する捜査指揮を通じてCJグループ役職員名義の借名口座を確認した。

 検察と警察はパク氏から 「イ会長が香港にある口座300ヶ余りで3500億ウォンの秘密資金を管理しているという話をイ氏から聞いた」という陳述も確保した。 パク氏はシン・某CJグループ系列会社代表が香港秘密資金管理者だという陳述もした。 また、検警は当時イ氏のノートブックPCを押収したが、イ氏がイ会長に送った電子メールもあった。 まさにその電子メールに秘密資金管理内訳が含まれていた。 検察関係者は 「警察の押収物を持ってきて分析してみると、株式と預金、美術品などイ会長の借名財産管理内訳が相当部分出てきた」と話した。

 だが、検警は殺人請負疑惑だけを適用しイ氏を起訴する線で事件を終えた。 イ会長資金の出処と性格を調べたが会社の資金を引き出した証拠は確保できなかったという。 CJグループ側も「イ会長が先代から相続された個人資金」と釈明した。 イ会長は故イ・ビョンチョル 三星(サムスン)グループ会長の初孫だ。 検警はイ会長の借名財産と関連内訳を国税庁に通知した。 国税庁はCJグループ前・現職役職員名義の借名口座500ヶ余りに3000余億ウォンが分散預置されている事実を把握した。 CJグループは2008年8月イ会長の財産を申告した後、1年間に1700余億ウォンの税金を分納した。 だが、国税庁はイ会長の脱税疑惑を検察に告発しなかった。

■パク・ヨンチャ捜査で再び

 あいまいに埋もれたイ会長の脱税疑惑は意外にもパク・ヨンチャ前泰光(テグァン)実業会長の政・官界ロビー捜査を進めた最高検察庁中央捜査部の網に再びひっかかった。

 当時、中央捜査部はパク前会長の税務調査宥和ロビー疑惑と関連して2009年5月‘国税庁の中央捜査部’と呼ばれるソウル地方国税庁調査4局を押収捜索した。 この時、国税庁がイ会長の1700億ウォン脱税疑惑を内部的に調査した資料を押収物として確保した。 検察関係者は「国税庁がイ会長の脱税資料を持っていながら検察に告発しなかったことについてイ会長を庇おうとした疑いがあった」と話した。

 検察は当時チョン・シニル(70)セジュンナモ会長がパク前会長の税務調査宥和請託を受けてハン・サンリュル国税庁長に頼んだ疑惑を捜査していたが、チョン会長がイ・ジェヒョン会長の要請を受けてCJグループの税務調査を揉み消した疑惑も捕捉した。 中央捜査部は5月中旬イ会長を3度参考人身分で呼び調査したが、無嫌疑処分した。 チョン会長は李明博前大統領と親密な関係だ。 2008年検警捜査がイ会長の秘密資金に広がらなかったのは、イ会長とチョン会長の親密なよしみのためという話も出てきた。

■法廷から出た‘数千億ウォン’

 ところで法廷から再びイ会長の秘密資金疑惑が溢れでた。 2009年6月財務2チーム長イ氏の1審裁判所は、判決文で "イ氏の後任者であるソン・某財務チーム長の陳述によれば、資金規模537億ウォンが財務2チームで運用されていた」と明らかにした。 裁判所はまた「イ氏は各種金融商品に投資したり株式売買を通じて差益を得る手法でイ会長の個人資産を増殖し運用した」と明らかにした。

 2審裁判所は更に一歩出た。 控訴審裁判所は2009年12月判決文で 「イ氏が控訴審法廷で自身が管理した資金の規模は数千億に達すると述べた」と話した。 イ氏は結局無罪宣告を受けた。 裁判過程でイ会長の秘密資金問題だけが浮上したわけだ。

■今になってなぜ

 イ会長の秘密資金疑惑は徐々に忘れられて行ったが、検察庁周辺では司正の嵐が吹くたびにCJグループが議論された。 最高検察庁中央捜査部は2008年の殺人請負事件と2009年パク・ヨンチャ前会長の政・官界ロビー事件で収集したイ会長の秘密資金関連資料を中央捜査部1課長の部屋のキャビネットに積み上げ、水面下で内偵を進めてきた。 検察は今年初めから疑惑を本格的に検討した後、最近ソウル中央地検特捜2部(部長ユン・テジン)に事件を割り振った。

 だが、検察がイ会長の秘密資金関連疑惑資料を使わずにおいておき、今になって取り出したのには何か別の背景があるという分析が出ている。 検察関係者は「イ会長が財産を管理しながら、追加で租税を脱漏したり国外から持ってきた怪しい資金が新たに捕捉されて過去の疑惑まで含めて一気に捜査に入った可能性がある」と話した。 朴槿恵(パク・クネ)政府が地下経済の陽性化を標ぼうして‘域外脱税’を厳しく処断すると明らかにしたことにより、検察がイ会長の秘密資金および域外脱税に刀を抜いた側面もある。 検察は現在「イ会長の所得税脱漏を主に見ている」と話している。

キム・ジョンピル記者 fermata@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/588798.html 韓国語原文入力:2013/05/23 23:01
訳J.S(2813字)

関連記事