開城(ケソン)工業団地が2003年6月、1段階試験団地造成が着工して10年ぶりに事実上閉鎖される初の事態に陥った。
リュ・キルジェ統一部長官は26日夜、ソウル世宗路(セジョンノ)の政府ソウル庁舎で大韓民国政府声明を出し、北韓が開城(ケソン)工業団地と関連して「最小限の人道的措置すら許容せず、当局間対話まで拒否したことはいかなる理由をもっても正当化されえない」として 「政府は国民保護のために残留人員全員を帰還させる不可避な決定を下すことになった」と明らかにした。 リュ長官は北韓が既存合意と開城工業団地関連法令に基づいて、勤労者たちの安全帰還保障と企業らの財産を徹底的に保護することを要求した。 リュ長官の声明は朴槿恵(パク・クネ)大統領が主宰した午後3時の大統領府緊急外交安保長官会議後に出てきた。 朴槿恵政府の今回の決定により‘韓半島信頼プロセス’を通した南北関係改善には大きな困難が避けられないものと予想される。
これに先立って北韓国防委員会はこの日午後、韓国政府の開城工業団地当局者間実務会談提案が最後通告性の脅迫だとして拒否し、南側が事態を今後も悪化させるならば北韓が先に「最終的で決定的な重大措置を取ることもありうる」と警告した。 これに対し政府は朴大統領主宰で外交安保長官会議を開き、開城工業団地残留人員の全員撤収を電撃的に決めた。 政府のある当局者は「北韓との協議を経て、できるだけ早い時期に帰還がなされるようにする」と明らかにし、早ければ27日から開城工業団地残留人員の帰還が本格化するものと見られる。 26日現在、開城工業団地に残っている南側人員は計175人と集計された。
これに先立ち北韓国防委員会政策局スポークスマンは、談話を通じて韓国政府の会談提案を拒否する理由として△南側政府の傍観の下で北側体制を誹謗・中傷するビラ散布行為と△トクスリ(鷲)演習の一環である東海での韓-米連合海上上陸作戦などが行なわれている状況に言及しつつ、誹謗・中傷と敵対行為は対話とは両立できないと主張した。 また「全ての同胞と世界平和愛好人民が南側の対話提案が本当ならば、それを実践で立証しなければならないと主張している」として、間接的にこれらの行為の中断を促した。
談話は特に、開城工業団地暫定稼動中断措置がキム・クァンジン国防長官の人質救出作戦発言などで戦争挑発の口実として悪用される恐れがあるため、勤労者たちの身辺安全保障のために取った措置だと主張し、それでも南側が‘北が最小限の人道的措置まで拒否している’と見なして最後通告性の声明を通じて会談を提案したことは‘北を愚弄すること’と非難した。
談話は開城工業団地に滞留する南側人員の人道的措置を議論しようという提案に対しては 「南側がすべての人員を撤収すれば良いだろう」と話し、この問題が会談で議論される事項ではないという点を明確にした。 続けて「撤収と関連して提起される身辺安全保障対策を含むすべての人道主義的措置は我々の関連機関で責任をもって取ることになるだろう」と付け加えた。
開城工業団地に留まって25日に帰還したある入居企業代表は「工業団地に滞留している南側人員の苦痛を北韓が無視していると映る言論報道などに対して、北韓は自分たちに対する謀略であり冒とくするものだとし激昂していた」として「初めからこの問題を提起すれば北韓が滞留に応じなかっただろう」と話した。
カン・テホ記者 kankan1@hani.co.kr