うんざりだ。
先日、カフェで仕事をしていた時、携帯電話を手に静かにトイレに入った。確認してみたいことがあったのだ。政府が最近、停止を公式に発表した国内最大規模の違法性搾取コンテンツサイト「A」と「B」をグーグルで検索。仮想専用回線(VPN)をオンにしたわけでもないのに、簡単に開いた。アクセス遮断に備えて「別のURL」が案内され、5分ごとに新たな性的搾取コンテンツがアップされるという、見慣れた光景だった。既存のサイトが復活したわけではなかった。AとBの運営者が送検されてからたった1週間で出現した「偽サイト」だった。サイトのトップ画面にごてごてと貼られた、ピカピカ光るギャンブルの広告にうんざりさせられる。
閉鎖されたと思っていた違法サイトが再び開設されるのには、複合的な理由がある。第一に、そもそもサイトが閉鎖されていなかったから。現在、放送メディア通信審議委員会(放メ審委)は審議を経て、違法な性的搾取コンテンツサイトへの国内からのアクセスを遮断している。ただし違法サイトの運営者は、性的搾取コンテンツのデータを国外の原本サーバーに保存し、利用者にデータを送信する際には、近隣のサーバーを借りて使用するコンテンツ配信ネットワーク(CDN)を利用している。特定のURLがブロックされても、いつでも同じサイトが作り直せる。VPNによるユーザーの迂回(うかい)アクセスも、国内でのアクセス遮断を無力化する。
第二に、何人かの運営者が検挙されたからといって、性的搾取コンテンツ産業そのものが打撃を受けるわけではないからだ。復活したようにみえるAとBも、別の運営者が名前だけ借りて開設した偽サイトだ。運営者が保有していた性的搾取コンテンツを捜査機関が押収したとしても、別の海外サーバに原本データをバックアップしておけば、サイトは復活する可能性がある。違法サイトにサーバを貸し出している海外のホスティング事業者に圧力をかけてホスティングを停止させたとしても、運営者が新たな業者を見つけてしまえば終わりだ。
だからこそ、今年8月に政府が打ち出した対策は、違法サイトの運営者たちの資金源を断とうということに重点が置かれている。運営者の主要な収入源であるサイト内のギャンブル広告を禁止するほか、国外のホスティングおよびCDN事業者に圧力をかけて、国内の違法サイトに提供されているサービスを停止させるというのだ。運営者たちをできるだけ「煩(わずら)わせる」という点で、従来の対策に比べれば一歩前進したように思える。
それでも限界は明確だ。違法サイトがなくならない根本的な理由は、運営者の資金源である広告収入を支えている数多くの「消費者(訪問者)」が依然として存在していることだ。違法な性的搾取コンテンツを安易に消費する現象そのものを変えなければならないという指摘が絶えない理由はここにある。韓国サイバー性暴力対応センターのキム・ヨジン代表は「ソラネットから始まり、違法サイトは新たに作られては消えを繰り返してきたが、実際にサイトを利用する人の規模はかつてと大きな違いはないと推測される」と語る。
政府も捜査機関もマスコミも「うんざりだ」と手をこまねいてはいられない問題だ。あれほど多くの消費者をすべて検挙して処罰することはできないだろうが、少なくとも違法な性的搾取コンテンツの視聴および所持行為も犯罪であるという認識を植え付ける判例と、実効性ある教育が裏付けとならねばならない。需要がなくならない限り、違法サイトは名前とURLを変えただけでいつでも復活しうるからだ。運営者だけでなく消費者も煩わしく不安にさせるような対策を打ち出すべき時に来ている。
コ・ナリン|ジェンダーチーム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )