「未成年だったころの私の写真が同意なしに拡散されました。18歳以上向けのウェブサイトに掲示されていましたが、(当時)私は13~14歳でした。グーグルで『○○○○(本人の名前)ヌード』と検索すると出てきます」(ブラジル国籍のBさん)
グーグルに寄せられた盗撮・違法撮影物の被害者からの削除要請が、グーグルの提携機関であるAサイト(仮名)に転載・公開された問題は、韓国に限ったことではなかった。英語はもちろん、日本語やスペイン語、ポルトガル語などでも同様の投稿が大量に公開されていた。グーグルはデジタル性犯罪物の削除要請を受け付ける際、機微情報をAサイトと共有しないという明確な原則を設けているにもかかわらず、業務上の「人的ミス」が発生したと主張しているが、今回の事態は世界規模の「システムの失敗」だとの批判が出ている。
ハンギョレは9日、韓国内の被害者以外にも、日本、ベトナム、コロンビア、ブラジル、アルゼンチン、ボリビアなど、さまざまな国籍の被害者がグーグルに送った性犯罪物の削除要請がAサイトにそのまま掲載されていることを確認した。被害者の名前や出身地、家族の名前まで言及されていた。
日本国籍のSさんは「以下の動画は、盗撮された動画がアダルトサイトに無断転載されたもの」だとして、「誰でも見られる場所に掲載されていて、精神的・身体的に疲弊している。早く削除してほしい」と求めた。アルゼンチン国籍のMさんは「ソーシャルメディアで人々が私の名前を盗用し性的加害を与えた。グーグルで検索すると私の名前がすべて出てきて、私の住む都市の□□□□まで検索されてしまう」と訴えた。ボリビア国籍のTさんも「この動画のために私の人生がめちゃくちゃになった。ウェブ上から削除してほしい」として、自身の身元情報を記載した。
このほかにも、「私の写真を同意・許可・契約なしにディープフェイク動画に使用している」(ブラジル国籍・氏名不詳)や、「コンピュータがハッキングされ、パートナーの動画が流出した」(ボリビア国籍のSさん)など、誰にでも起こりうるディープフェイクやハッキング犯罪の被害に巻き込まれたケースもあった。
こうした状況から、削除を要請する際に記された切実な状況説明が、逆に被害者自身へのブーメランとなって返ってくるという事態も生じている。削除を要請したURLの一部は依然として閲覧可能なうえ、要請文の機微情報を組み合わせることで、身元が特定されてしまうためだ。たとえば、ボリビアのOさんは、2018年6月から1カ月間に10件以上の削除要請を送り、「動画に出ている人物は自分だ。このことが原因で学校で暴力を受けている」と訴えた。Oさんが提出したURLを開くと、8年が経過した今でも閲覧可能だ。
グーグルは削除要請を受け付ける際、「法的氏名」(Full legal name)をはじめ、国籍や削除に関する詳細情報の記入を要求する。この過程で被害者の相当数が自身のミドルネームを含めたフルネームを記入した。また、被害者がグーグルによって生成された関連検索ワードを削除するよう依頼したため、出身地や家族など、他の個人情報まで明らかになっているケースもある。
一方、グーグルはハンギョレの報道や韓国政府の抗議などにより今回の事態に対する批判が強まったことから、この日、信頼・安全・規制・透明性およびリスク部門のアマンダ・ストーリー副社長名義で声明を出し、「公開されていた韓国の被害者データを永久に削除した」とし、「新たな法的削除要請のすべてについても、Aサイトへの送信を全面的に中止した」と明らかにした。しかし、グーグルは今回の事態について、依然として「意図しない情報露出」と定義するだけで、機微情報の共有禁止の原則がなぜ守られなかったか、その経緯についてはまったく説明しなかった。さらに、「技術的な安全管理措置」と「チャンネルの信頼性再構築」を推進するとしたが、具体的な内容は依然として不透明だ。