本文に移動

金正恩委員長とトランプ大統領への公開書簡【コラム】

登録:2026-09-16 07:23 修正:2026-09-16 10:54
朝鮮戦争の終結・朝鮮半島の平和体制構築に「選択と集中」を
ChatGPTにコマンドを入力して生成した画像//ハンギョレ新聞社

 こんにちは。私は27年間、朝鮮半島の平和実現を目指して活動してきたチョン・ウクシクと申します。この公開書簡を通じて、朝鮮民主主義人民共和国の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と、アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領に、挨拶を申し上げます。

 お二人もご存じの通り、朝米首脳会談が実現するかどうかに、きわめて強い関心が集まっています。李在明(イ・ジェミョン)政権はもちろん、韓国の多くの市民も、お二人の会談が実現し、朝鮮半島をはじめ、世界の平和に向けて大きな一歩を踏み出すことを願っています。朝米首脳会談を通じて、76年以上に及ぶ朝鮮戦争を公式に終結させるための大きな道標が立てられることを望んでいます。

 トランプ大統領も、これまで何度も朝鮮戦争を終わらせるべきだとする趣旨の発言をされてきました。特に昨年10月29日の韓米首脳会談では、「朝鮮半島が公式に戦争状態にあることを承知している」としたうえで、「金正恩委員長とともに、この状況を是正するために懸命に努力する」と誓われました。また、お二人は2018年6月にシンガポールで会談し、朝鮮半島の停戦体制を平和体制へと転換することで合意されたこともあります。

 まさにこれです。朝鮮と米国の間には依然として多くの意見の相違や対立が存在しますが、いまこそ、戦争の終結と平和体制の樹立に選択と集中をすべきです。すでに韓国の李在明大統領も、そのような趣旨の発言を何度も行っています。戦争の当事者であり停戦協定の署名国である中国も、朝鮮半島の安定と平和のためには平和体制の構築が不可欠だとする立場です。4カ国がこのように朝鮮半島の終戦・平和体制について考えを同じくしていることは、極めて異例のことです。特に、トランプ大統領がこれに深い関心と意志をお持ちである点を高く評価したいと思います。

 ある人たちは朝鮮戦争を指して、「米国史上最も長い戦争」と言います。1950年に始まった戦争が、いまだに公式には終わっていないという現実を指す表現だと考えます。また、朝鮮半島で戦争が再発すれば、核戦争に発展する危険性も、同盟関係にからんで世界大戦に準ずる水準へと拡大する危険性も存在します。これは、お二人が戦争の終結と平和体制の構築に向けた大きな一歩を踏み出すことが、歴史的使命であり、偉大な業績になるであろうことを物語っています。お二人の会談を実現させるべき時代的な使命も、まさにこの点にあります。

 核問題についてもお話ししたいと思います。金正恩委員長は、朝米首脳会談の開催条件として、米国が非核化の要求を撤回することを求めており、トランプ大統領はこの問題について大いに苦慮されているものと存じます。韓国政府や米国政府をはじめとする諸国も、「朝鮮半島の完全な非核化」を原則的な目標として維持しています。朝鮮の核問題をめぐる意見の相違によって、朝米首脳会談が秘める未来志向的な機会が失われかねないと懸念するのは、そのためです。しかし、私は、代替的なアプローチはすでにトランプ大統領が示していると考えています。

 トランプ大統領は、核兵器を最も多く保有する米国とロシア、そして核兵器を増強している中国が先に核軍縮に乗り出し、これに朝鮮をはじめとする他の核保有国も参加することが望ましいと、幾度となく述べました。これを通じて「世界の非核化」へと進むべきだと力説しました。「北朝鮮の非核化」や「朝鮮半島の非核化」を、世界の核軍縮および非核化という大きな器に収めようという趣旨の発言は、「コペルニクス的転換」と呼ぶにふさわしいものです。

 金正恩委員長は、もはやあれこれためらうのではなく、いまこそ、偉大な旅路に向けてトランプ大統領が差し伸べた手を握るべきです。朝鮮は、核武装の目的は核戦争の防止と戦略的安定にあるとの立場をとっています。しかし、こうした目標は、日増しに激化する核軍拡競争と一触即発の緊張状態が続くなかでは実現できません。

 どうかお二人がすみやかに会談し、地球上のいたる所をさまよう核戦争の亡霊を退け、核の脅威や核兵器のない世界に向けた希望のメッセージを発信されることを願います。70年以上も終わらない朝鮮戦争を公式に終結させ、欧州や中東などで繰り広げられている戦争も終わらせることができるという希望の根拠を作っていただきたいと願います。

チョン・ウクシク |ハンギョレ平和研究所長兼平和ネットワーク代表 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1277621.html韓国語原文入力:2026-09-14 10:17
訳M.S

関連記事