米国のトランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が、早ければ今年の11~12月に会談する可能性があり、トランプ大統領が米国で開催される主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に金委員長を招く可能性もあるという見通しが示された。
ビンセント・ブルックス元在韓米軍司令官と戦略国際問題研究所(CSIS)のビクター・チャ韓国部長は3日(現地時間)のCSIS主催の対談で、北朝鮮は直ちに対話に応じる準備ができているわけではないが、米国との対話の扉は開かれていると分析した。ブルックス元司令官は、北朝鮮は韓国には厳しい表現を使いつつも、米国には同じレベルの非難を控えていることを根拠にあげた。
同氏は、国連総会や中国の習近平国家主席の訪米、11月の米国の中間選挙、12月のG20サミットなどをあげつつ、「最も早い時期は11月とG20の間」だとの予想を示した。ただし、その時期が早ければ早いほど実質的な交渉というより見せるためのものになりやすいため、「ハノイ(での会談)というよりは、板門店(パンムンジョム)のような瞬間」になる可能性が高いとして、本格的な後続協議は2027年に持ち越されうると述べた。
チャ部長も、北朝鮮は中間選挙の結果を見守ってから会談に臨む可能性があるとして、トランプ大統領が金委員長を米国に招くことも想像しうると述べた。
今年のG20サミットは12月14日から15日にかけて、フロリダ州のマイアミ近くのトランプ・ナショナル・ドラル・リゾートで開催される。チャ部長は、金委員長をG20に招けば、全世界の関心を集めるイベントになりうると述べた。
同氏は、かつての朝米会談が成果なく終わり、北朝鮮は中国とロシアの支援を受けているが、金委員長がトランプ大統領と会うインセンティブは十分にあると分析した。北朝鮮にとっては、米国と接触すれば中国とロシアに対する交渉力を高められるからだ。また、米国が最近イランとベネズエラで取った行動を見守っているため、自分たちに似たようなことが起こる可能性を抑えるためにも、トランプ大統領との接触を保つことにインセンティブがあるというわけだ。韓国による原子力潜水艦の推進や造船協力などで韓米同盟の軍事的力量が強まる中、北朝鮮がこのような変化についてトランプ大統領と直に議論する必要を感じているかもしれないとチャ所長は述べた。
会談が実現すれば、非核化に関する細部交渉ではなく、緊張緩和と平和問題が中心となり、2018年のシンガポール共同声明の原則を再確認するかたちになる可能性があるとの見通しも示した。
2人は、中国も朝米対話の変数になり得ると分析した。チャ部長は、中国はロシアの北朝鮮に対する影響力が過度に強まることを望んでいないとして、朝ロ密接をけん制するために現時点ではむしろ朝米接触を密かに促進することが中国の利益に合致しうると述べた。
ブルックス元司令官も、北朝鮮の今後の動きは米国だけでなく中国に向けたメッセージの性格を帯びるだろうとし、朝米対話に先立ち北朝鮮が自らの戦略的価値を高めるための行動に打って出る可能性を注視すべきだと述べた。