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[社説]ハマスとイスラエルの「報復」、なぜ子どもたちを狙うのか

登録:2023-10-12 06:36 修正:2023-10-12 07:55
イスラエル南部のクファール・アザで10日、イスラエル軍人たちが3日前のハマスの攻撃で犠牲になった住民たちの遺体を運んでいる=クファール・アザ/AFP・聯合ニュース

 血の悪循環はどれだけ続かなければならないのか。イスラム武装組織ハマスの攻撃に対するイスラエルの報復が続き、子どもたちと民間人が暴力の狂気に無差別に犠牲になっている。イスラエルはガザ地区に地上軍の投入を準備しており、残酷な大量破壊への懸念がさらに高まっている。

 今月7日の奇襲攻撃で、ハマス武装隊員がイスラエルの町に入り、乳幼児まで残酷に殺害し、家族を皆殺しにした情況が明らかになっている。これまで発見された乳幼児の遺体だけでも40人に達し、一部の子どもは首が切り落とされていたという主張もある。戦争がいくら残酷であろうと、ここまでではなかった。音楽フェスの会場周辺では260人の遺体が発見された。イスラエル軍はこれに対する報復として、ハマスが統治しているガザ地区を無差別爆撃し、電気、水道、ガス、食料の供給まで遮断しており、子どもをはじめとする民間人が恐ろしい災難に見舞われている。相次ぐ空襲で廃墟と化したガザ地区のパレスチナの民間人たちは逃げ場もない。両方の死者はすでに2000人を超えている。

 イスラエルがこの16年間、ハマスが統治するガザ地区を封鎖して「世界最大の監獄」にし、西岸地域でユダヤ人入植地を暴力的に拡大してきた非人道的な占領政策には反対するが、ハマスの今回の残酷な民間人虐殺と人質劇は決して許されない。ハマスのこのような行為は、パレスチナの民間人により大きな苦痛を強いるだけではなく、イスラエル内部でも大きな抵抗に直面していたベンヤミン・ネタニヤフ極右政権を後押しする逆説的な状況を生み出している。

 イスラエルのネタニヤフ政権は、ハマスに対する「報復」を約束し、50万近い兵力を召集してガザ地区への地上軍の投入を準備している。難民村のような狭い空間で230万人が住んでいるガザ地区で市街戦が起きれば、パレスチナの民間人は莫大な被害を受けるしかない。悲劇がさらに大きな憎悪を呼び、中東各地に紛争が広がって、国際秩序はさらに急速に崩壊するだろう。

 米国のジョー・バイデン政権はイスラエル政府の「報復」を黙認する姿を見せている。一方、国連と欧州連合(EU)はハマスの「テロ行為」を批判しながらも、イスラエルのガザ地区封鎖に懸念を示している。イスラエルがガザ地区に地上軍を投入することでハマスを壊滅させても、苛酷な占領政策が変わらない限り、また別の原理主義武装組織の登場につながるだけだ。国際社会は憎悪の拡大を防ぎ、パレスチナ問題の解決策を模索することに努力しなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1111757.html韓国語原文入力:2023-10-12 02:43
訳H.J

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