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[社説]日本に逆転された韓国の経済成長率、政策パラダイムを変えるべき

登録:2023-09-25 06:30 修正:2023-09-25 07:20
主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に出席中の尹錫悦大統領が10日(現地時間)、インド・ニューデリーのインターナショナル・エキシビション・コンベンション・センターで開かれた韓日首脳会談で、日本の岸田文雄首相と握手している/聯合ニュース

 今年の韓国の経済成長率が「失われた30年の国」日本に逆転されるものとみられる。韓国の成長率が日本より低くなるのはアジア通貨危機以来初めてで、25年ぶりのことだ。

 経済協力開発機構(OECD)は19日に発表した経済見通しで、今年の韓国の経済成長率を6月の見通しと同じ1.5%と予想した。一方、米国(1.6→2.2%)や日本(1.3→1.8%)、フランス(0.8→1.0%)など世界主要国の見通しは上方修正した。世界経済と主要20カ国・地域(G20)の成長率見通しも6月より0.3ポイントずつ引き上げた。さらに悲観的なのは、韓国経済に対するOECDの見通しがむしろ高い方だという点だ。韓国政府と韓国銀行、国際通貨基金(IMF)の見通しは1.4%、アジア開発銀行(ADB)の見通しは1.3%だ。

 韓国経済の不振が続いている最大の理由が輸出景気の低迷であるのは周知の事実だ。問題は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が現実を直視せずに「上低下高」(上半期よりも下半期の成長率が上がること)という希望的観測で経済政策を展開しているということだ。政府が上低下高の根拠に挙げた中国経済の持ち直しは事実上遠のいている。中国は習近平主席の「共同富裕」政策を明らかにしてから、不動産市場のバブルの解消に取り組んでおり、景気浮揚に限界がある。

 現在の輸出減少は、ドイツや中国など輸出中心国家も共通して経験する現象だ。自由貿易を唱えた米国が保護主義に転じたうえ、ウクライナ戦争とコロナ禍で触発されたサプライチェーンの崩壊まで重なり、全世界の交易量が減っている。グローバル化の波に乗って好況を享受した輸出中心国にとっては致命的な条件変化だ。政府が打ち出しているこれまで通りの輸出活性化対策では克服しがたい水準の根本的な変化が起きている。高金利と原油高もかなりの間続くものとみられ、世界経済の需要不足も短期間で終わらない見通しだ。

 このように困難な時であるほど、政府は長期的な観点で企業と家計が再跳躍できる足がかりを作らなければならない。ところが、尹錫悦政権はその反対方向に進んでいる。理念的な富裕層減税で史上最悪の税収パンクを引き起こし、未来のための技術貯蓄ともいえる研究開発(R&D)予算を真っ先に削減した。自ら壊した財政健全性を守るために使途が決まった予算も執行せず、政府自ら成長率を削っている。今日の一針が明日の十針になる前に、直ちに経済政策パラダイムを転換しなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1109855.html韓国語原文入力:2023-09-25 02:38
訳H.J

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