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[コラム]ロシア・ウクライナ戦争、どうやって終わらせるべきか

登録:2023-03-03 10:18 修正:2023-04-12 07:29
先月26日(現地時間)、ウクライナ北部ハルキウ州カミヤンカのある村で、住宅が砲撃で破壊された様子=カミヤンカ/AFP・聯合ニュース

 ロシアがウクライナを侵攻して起こった戦争が1年を超えた。戦争に巻き込まれた全員が泥沼に陥っているようだ。この戦争をどのように終わらせるか誰も答えを出せず、あまりにも大きな犠牲と被害が続いている。

 戦闘が最も激しいウクライナ東部では、軍人たちが文字通り「泥沼」であえいでいる。ロイター通信は、3月に入って冬の間に凍った地面が溶け、あちこちがぬかるんでいると報じた。道路が川になり、野原が湿地となっている。最前線に配置されたウクライナ軍砲兵部隊の指揮官、ミコラ氏(59)は、「両者とも現在の位置を守っている。見てのとおり、春は泥沼を意味する。前進するのは不可能だ」と述べた。彼の言葉は、この戦争の全般的な状況を象徴しているように聞こえる。

 ロシアは、ドンバス全地域を掌握するのに欠かせない要衝地であるドネツク州の中北部の都市バフムトを占領することにすべてを注ぎ込んでいるが、ウクライナ軍の抵抗をたやすく破ることはできない。だからといって、昨年10月のようにウクライナ各地に無差別な空襲を行うわけでもない。兵器が足りないためだという分析が出ている。

 ウクライナ軍も、ロシア軍を自国から追い出すほどの強力な反撃はできずにいる。AP通信は、今後数カ月間の東部戦線の状況を決定するもう一つの要衝地であるハルキウ州南部のクピヤンスク地域の戦闘で、ウクライナ軍が兵器不足に苦しんでいると伝えた。第92連隊のある歩兵は「ロシア軍は我々に向けて40発撃つことができるが、我々は(正確に照準して)目標に2発撃つのがやっとの状況だ」と話した。西側の武器支援の約束もなかなか履行されていない。米紙ニューヨークタイムズは、ドイツの同意で欧州各国が戦車「レオパルト2」を支援できるようになってから1カ月近く経ったが、兵器庫に保管していた戦車が正常に作動しなかったり、自国軍の戦力弱化を懸念する軍部の反発などによって、実際の戦車支援が遅れていると報道した。

 戦争を終わらせる突破口が見えない中、ウクライナ人の苦痛は日増しに大きくなっている。家を二度も爆撃されたというクピヤンスク地域の住民のオレクサンドル・ルジャンさんは「私たちはこの戦争と何の関係もないのに、なぜ私たちがその代償を払わねばならないのか」と訴えた。ウクライナ人の悔しくもどかしい気持ちを、これほどよく表す言葉はないだろう。

 西側のウクライナ直接支援の負担もかなり大きい。ドイツの「キール世界経済研究所」(IFW)が集計した資料によれば、先月15日までの間に世界約40カ国が約束したウクライナ支援の規模は1385億ユーロ(約20兆円)にのぼる。このうち45%(622億ユーロ)が軍事支援であり、人道主義支援は8.7%(121億ユーロ)。残りの642億ユーロは財政支援だ。戦争が長引けば、支援規模、特に軍事支援は増え続ける。

 ウクライナ戦争はもはや全員が敗者となる戦争に突入している。先月25日、ドイツのベルリンで「平和のための反乱」と名付けられた大規模反戦デモを行った人々は、オンライン署名運動に乗り出し「戦争を終わらせるためには交渉しかない。これ以上の犠牲を止めるために、直ちに交渉を始めよ」と主張した。これがウクライナ人の日常回復のための「不都合な最善策」なのではないか、悩むところだ。

シン・ギソプ|国際ニュースチーム先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1081945.html韓国語原文入力:2023-03-03 02:35
訳C.M

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