「敵基地攻撃能力(反撃能力)」を保有し、5年内に防衛費を2倍に拡大するという日本の計画を、米国が公式に追認した。日本は戦後70年あまりにわたって維持してきた「専守防衛」原則を事実上廃棄し、軍事大国化していくうえでの心強い援軍を確保した。米日同盟が中国の挑戦に対抗して露骨に軍事協力を強化したことで、北東アジアで軍拡競争が加速することが憂慮される。
米国は11~13日(現地時間)、ワシントンで日本と外交・防衛相による「2プラス2」会談と首脳会談を相次いで行い、日本の反撃能力の保有と大々的な軍備拡張に強い支持を表明した。米国のバイデン大統領は「日本の歴史的な防衛費支出の増大と新たな国家安保戦略を基盤として、我々の軍事同盟を現代化している」と述べた。また米日の首脳は共同声明で、「日本の反撃能力及びその他の(軍事的)能力の開発及び効果的な運用について協力を強化するよう、閣僚に指示した」と述べた。さらに、米国製トマホークミサイルを日本が数百発購入すること、沖縄駐留の米海兵隊を連隊規模に拡大するとともに、機動性を強化して活動半径を広げることに合意した。
米日のこのような動きは、「米国は攻撃(矛)、日本は防衛(盾)」という第2次世界大戦以降の役割分担が根本的に転換されつつあることを意味する。中国の軍事的挑戦という新たな環境に対応しようというものだが、結果的に北東アジアは各国の軍拡競争の悪循環に陥るとみられる。軍拡競争は緊張を高め、偶発的な衝突の可能性を高める。このような状況は決してどの国にとっても好ましいものではない。
朝鮮半島は地政学的位置上、大国同士の軍事力競争の最大の被害国になり得るだけに、このような時こそ韓国の役割が重要だ。韓国は、大国の間に立つ仲裁者となることはできないだろうが、少なくとも北東アジアで偶発的な衝突が発生しないようにする装置を主導的に作っていかなければならない。冷戦時代に欧州諸国が欧州安保協力機構(OSCE)を創設し、冷戦的対決を緩和し共存を達成したように、東アジア版安保協力機構の創設がそのような方法になりうるだろう。そのような点で、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領がこのところ独自の核武装の可能性に言及し、日本の軍事大国化の動きを容認するような発言をしたことは、非常に憂慮される。米日の軍事力強化に調子を合わせるのではなく、外交力を総動員して緊張を管理しうる方法を早急に模索してもらいたい。