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[社説]初の包括的共同声明、北朝鮮と中国の牽制をねらった韓米日3国

登録:2022-11-14 06:05 修正:2022-11-14 08:21
ASEAN+3首脳会議に参加した尹錫悦大統領と米国のジョー・バイデン大統領、日本の岸田文雄首相が13日(現地時間)、カンボジアのプノンペンのホテルで韓米日首脳会談を行っている=プノンペン/ユン・ウンシク先任記者//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と米国のジョー・バイデン大統領、日本の岸田文雄首相は13日、カンボジアのプノンペンで、異例となる3回連続の会談を通じて、北朝鮮に対する圧力を最大限に引き上げた。3首脳は、北朝鮮の核とミサイルの脅威に対抗し、韓米日の安全保障協力を強化するなどの内容を加えた共同声明を採択した。尹大統領は、これに先立ち11日に発表した「韓国版インド太平洋戦略」を通じて、米中覇権競争の渦中で米国側に立つ意向を明確にした。東アジアで「韓米日」対「朝中ロ」の新冷戦の対立構図がさらに強化されるものと懸念される。

 この日発表された「インド太平洋における韓米日パートナーシップに関するプノンペン声明」は、韓国と日本に対する米国の拡大抑止の強化をはじめ、北朝鮮のミサイルの警戒データのリアルタイム共有、経済安全保障の対話の枠組みの新設を明示した。また、台湾海峡の平和と安定の維持、ウクライナ支持、先端技術のサプライチェーンなど、膨大な領域で3カ国の協力を強化することにした。韓米日がこのような包括的な性格の共同声明を採択したのは初めてだが、その内容をみると、北朝鮮の挑発だけでなく中国への牽制を念頭に置いていることは明白だ。14日のバイデン大統領と中国の習近平国家主席の初めての対面会談を控えた先週末、米国ホワイトハウスのジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)が、北朝鮮の挑発が続けば東アジアで米軍の戦力を強化すると言及したことは、米国が北朝鮮の核とミサイルの高度化を制御する中国の役割に強い圧力をかけようとする趣旨だと読み取れる。

 北朝鮮の核とミサイルの高度化に対する抑止力の強化は、明らかに必要だ。特に、大規模な戦術核部隊の訓練や韓米合同軍事演習に正面から対抗した35発のミサイル発射など、最近の動きは北朝鮮の戦略が以前とは変わったことを明白に示している。韓米日3カ国の安全保障協力が要求される現実をただひたすら否定することはできない。

 だからこそよりいっそう重要なのは、韓国の自主的な原則と戦略的な考慮だ。中国との関係を安定的に管理していく方法などを慎重に用意しなければならない。韓国社会の内部で、日本との軍事協力をどこまで進めなければならないのかに対する合理的な議論も経なければならない。この日、45分にわたり行われた尹大統領と岸田首相の韓日首脳会談で、両首脳は、北朝鮮の弾道ミサイル発射を「重大な挑発」だと糾弾し、韓米日の安全保障協力を強調したが、強制動員被害の解決策などについては「両国間の懸案の早速な解決のため、引き続き協議していく」とする原論的な言及からさらに一歩踏みだすことはできなかった。日本が過去の問題と経済報復措置の解決に前向きな態度を示さなければ、韓米日の安全保障協力は世論の支持を得ることができないということを、両首脳は肝に銘じてほしい。

 この日、3カ国の合意を理由に、共同取材団による韓米、韓日の首脳会談の取材は許可されなかった。歴訪直前に大統領室が文化放送(MBC)の取材陣の専用機への搭乗を排除したことに続き、朝鮮半島情勢に大きな影響を及ぼす首脳会談の取材が制限されたことは、深刻な問題だと指摘せざるをえない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1067054.html韓国語原文入力:2022-11-13 22:15
訳M.S

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