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[社説]MBC取材陣に対する大統領専用機搭乗拒否は反憲法的「言論統制」

登録:2022-11-11 05:37 修正:2022-11-11 07:21
尹錫悦大統領の東南アジア歴訪を控えた10日午後、ソウル龍山区の大統領室前で、韓国記者協会、全国報道関係者労組、放送記者連合会などメディア団体がMBC取材陣に対する大統領室の専用機搭乗拒否と関連して緊急記者会見を行っている/聯合ニュース

 韓国大統領室が9日「最近、文化放送(MBC)の外交に関する歪曲、偏向報道が繰り返されてきた」とし、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の東南アジア歴訪期間(11~16日)中にMBCの記者の専用機搭乗を許可しないと通知した。MBCが9月に米国歴訪中の尹錫悦大統領の暴言を最初に報道した点や、先月、時事番組の「PD手帳」で大統領夫人のキム・ゴンヒ女史の論文盗作疑惑を取り上げる過程で、代役が出演する場面を「再現」の告知なしに放送した点などを理由に挙げた。MBCのこれまでの報道に対する報復レベルの措置であることを自ら認めたわけだ。

 マスコミの報道に問題がある場合は、訂正報道や反論掲載を請求するなどの制度的手続きを踏んで解決しなければならない。権力者に不都合な報道をしたからといって、専用機への登場を拒否するような稚拙な報復に乗り出すのは、軍事政権時代にも見られなかったことだ。21世紀の民主主義先進国で、憲法に明示された言論の自由を侵害する時代錯誤的な措置が堂々と行われている現実が嘆かわしい。

 尹大統領は10日、出勤時の囲み取材で、搭乗拒否について「重要な国益がかかっているため」だと述べた。MBCの暴言関連報道が国益を阻害したため、搭乗を許可しなかったという趣旨だ。しかし、当時問題になった卑語については、MBCを含む148社の報道機関が同じように「この××(野郎ども)」「バイデン」と表記し、報道した。「バイデン」ではないと公式釈明に乗り出した広報首席秘書官も、卑語の使用については否定しなかった。にもかかわらず今回このような措置を取ったのは、結果的にMBCをモデルケースにして報道機関全体に「むやみに批判的な報道をするな」というシグナルを与えたことに他ならない。大統領室担当記者団は同日、大統領室に強い遺憾を表明し、早期撤回を求めた。ソウル外信記者クラブ(SFCC)理事会も今回の措置が「内外信すべての言論の自由に対する懸念を呼び起こしている」と指摘した。本紙が同日、今回の歴訪で大統領専用機への搭乗を拒否し、民間機で取材に行くことを決めたのもこのためだ。

 「国益」を名分に掲げながら、キム・ゴンヒ女史関連報道を搭乗拒否の理由に挙げたことも常識を逸している。国民の税金で運用される専用機への搭乗を法的根拠もなく恣意的に許可しなかったことと共に「国政の私有化」として批判されて当然だ。

 大統領室と与党では取材の便宜を提供しないだけで、取材妨害ではないと主張している。しかし、公人中の公人である大統領は、専用機の移動過程を含め、すべての公的行為が取材の領域であり、専用機への同乗は決して報道機関に対する恩恵ではない。特定の報道機関の搭乗を拒否するのは実質的な取材妨害であり、そのような点で言論弾圧と言っても過言ではない。尹大統領は反憲法的言論統制を直ちに止めるべきだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1066732.html韓国語原文入: 2022-11-1019:07
訳H.J

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