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[社説]世襲財閥の弊害が現れた大韓航空副社長の悪行

登録:2014-12-09 06:21 修正:2014-12-09 09:17

 あたかもミニ王国の専制君主みたいに見える。大韓航空のチョ・ヒョンア副社長が5日、米国ニューヨークのケネディ空港で離陸のために滑走路に向かっていた大韓航空機を回れ右させた。ファーストクラスに座っていたチョ副社長は、乗務員の豆菓子のサービスがマニュアル通りでないと怒鳴り、マニュアルを見せようとタブレット携帯を持ってきたチーフ乗務員(事務長)が暗証番号による閲覧ができなかったために、飛行機から降りろと大声を張り上げたという。

 チョ副社長の行いは「人に対する礼儀」を説くにもふさわしくない“パワハラの典型”で、同時に航空法も軽んじた傲慢で横暴な限りだ。乗務員のサービスが気に入らないといきなり大声を出して飛行機から出て行けと言ったことは、職員を奴隷と見ていないとできないことだ。チョ副社長の命令で飛行機は滑走路から後戻りして乗務員を下ろして20分も遅れて出発したという。400人にもなる乗客は被害を受けようが受けまいが気にもしない我がままであり、機長の権限を自分勝手に侵害した越権行為だ。乗客の安全の責任を負った事務長もいないまま飛行機を出発させたのだから、これも航空法違反である。

 昨年大企業の役員がラーメンが生煮えだとして大韓航空の乗務員に暴力を働いた“ラーメン常務事件”が起きた際、チョ副社長は「乗務員が体験した当惑と羞恥心がいかに大きかったか気の毒になる」として「乗務員の業務を妨害する行為を処罰できる法律の条項が設けられるはずだ」と話した。しかし自分は実際には“ラーメン常務”の向こうを張る横暴を犯して、法は自分とは何の関係もないというように、あのようなやりたい放題の行動をした。乗務員が受けた侮辱感がいかに大きかったか。それなのに事が大騒ぎになるとチョ副社長は機長と協議して決めたことだと言い逃れようとしているようだ。機長を持ち込んでくるのも、どこかでよく見た低俗な責任転化である。

 チョ副社長の横暴ぶりはこの国の特権層の意識構造を典型的に示している。権力にしろ経済力にしろ手にすれば人権もないがしろにして法も無視することが大統領以下特権階級の姿だ。チョ副社長は韓進グループのチョ・ヤンホ会長の長女という総帥家の立場でスピード出世を続けて四十にもならない年齢で現職にのし上がった。昨年5月には“ハワイ遠行出産”をしたという疑惑も買ったりしている。社内で社員の上に君臨して物議をかもしたのは一度や二度ではないとされる。これらのすべての事は「賎民資本主義(パーリア・キャピタリズム)」の“賎民権力現象”である。富める者に人間らしさを求めるのは見当違いの望みなのか、問わざるをえない現実が苦々しいばかりだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014/12/08 18:36 

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/668015.html 訳T.W(1192字)

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