原文入力:2012/02/02 18:59(2222字)
循環出資実態と問題点
総師ら4~5%持分で系列会社全体掌握
20大財閥企業中 半分が循環出資 構成
現代自動車 チョン・モング一家、63社 支配の踏み台に
民主統合党が総選挙公約として検討中の循環出資禁止が施行されれば、我が国の財閥構造に少なからぬ波紋を呼ぶものと予想される。1997年外国為替危機以後、政府の財閥改革政策で相当数の財閥企業が持ち株会社に切り替えたが、まだ20大財閥グループの内 半数ほどが循環出資構造で構成されているためだ。
循環出資とはK社がN社の持分を確保して支配株主になり、N社は同じ方式でD社に出資し、D社は再びK社に出資する方式で系列会社の支配力を確保する変則的出資方式だ。 極端な場合、財閥総師はK社の経営権さえ確保すれば追加資本なしで系列会社全体を支配できることになる。
現在、我が国の主な財閥の中で循環出資により総帥の支配力を確保している代表的財閥企業は三星(サムスン)、現代・起亜車、現代重工業、韓進(ハンジン)、東部、現代などが挙げられる。 この内、系列会社間の出資比重が高く最も強力な水準の循環出資構造が形成されているところは現代・起亜車グループだ。 現代・起亜車グループの支配構造の核心は‘現代車→起亜車(33.8%)→現代モービス(16.9%)→現代車(20.8%)’(図参照)とつながる循環出資で構成されている。 チョン・モング グループ会長一家は現代車の持分5.17%だけを保有しているが、現代モービスが保有する持分20.8%とあわせて計25.9%の持分で現代車の経営権を掌握している。
三星グループの場合、昨年末に三星カードが三星エバーランドの持分17%をKCCに売却することにして循環出資構造が多少弱まった。三星は‘三星エバーランド→三星生命(19.3%)→三星電子(7.5%)→三星カード(35.3%)→三星エバーランド(8.6%)’で支配構造が形成されている。 三星カードは金融会社による非金融会社の持分所有を規制する‘金融産業の構造改善に関する法’(金産法)条項により今後、所有限度を5%未満に減らさなければならない。
←昨年5月19日ソウル、小公洞(ソゴンドン)ロッテホテルで開かれた全国経済人連合会会長団会議参席者がポーズを取っている。 左からチョン・ビョンチョル全経連副会長、カン・トクス STX会長、チェ・ヨングォン サムホヮン企業会長、ヒョン・ジェヒョン東洋グループ会長、チョン・ジュンヤン ポスコ会長、パク・ヨンヒョン斗山(トゥサン)グループ会長、シン・ドンビン ロッテグループ会長、ホ・チャンス GS会長、イ・ジョンヨン大林(テリム)グループ長、パク・ヨンジュ利建産業会長、キム・ユン三養社(サムヤンサ)会長、イ・ウンヨル コーロングループ会長、リュ・ジン豊山(プンサン)会長。<ハンギョレ>資料写真
現代車グループとサムスングループは循環出資により主な系列会社の支配権を掌握する方式でそれぞれ62,79社に及ぶ系列会社を船団式に率いている。現代重工業グループは‘現代重工業→現代三湖(サムホ)重工業(94.9%)→現代尾浦造船(46.0%)→現代重工業(7.9%)’で、韓進(ハンジン)グループは‘大韓航空→静石企業(24.5%)→韓進(17.9%)→大韓航空(9.7%)’で循環出資構造が作られている。
このような循環出資構造は財閥総師が実質的な資本投入をせずに系列会社の支配力を高められるという点でこの間絶えず問題が提起されてきた。 我が国の代表会社といえる三星電子や現代車の場合、総帥一家の持分が4~5%水準に過ぎないのに、系列会社の出資で経営権を100%行使しているためだ。 財界は外国資本との競争と経営権保護などのために循環出資が今後も許されなければならないと主張している。 だが、循環出資が資本主義の原理に外れる上に、すでに我が国の財閥が相当な規模を備えたという点で過度な経済力集中という逆効果がはるかに大きいと専門家たちは指摘する。 また、循環出資構造は財閥グループのある系列会社が動揺すれば他の系列会社へ衝撃が転移し、グループ全体が危険になり、これは1997年外国為替危機の時に経験したように国家経済リスクを再び高めるという点も問題点として指摘される。
しかし循環出資禁止措置が厳格に適用されない場合、効果が半減せざるを得ない。 例えば、三星グループの場合、三星カードが保有したエバーランド持分をKCCに売却し別の姿になったが、‘戦略的協力関係’を結び実質的には保有していることと同じだ。三星カードがエバーランド持分を5%以下に下げても支配構造に大きな問題が発生しないということだ。 キム・キウォン放送大教授(経済学)は「このような方式で循環出資規制を回避することになれば、財閥体制を変化させる上で意味がなくなる」として「循環出資は総帥の支配力を架空的な方法で増幅させるということなので原則的に禁止しなければならない」と語った。
パク・ヒョン記者 hyun21@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/517245.html 訳J.S