
南北が15日、板門店(パンムンジョム)で電撃的に将軍級軍事会談を持ったが、さしたる成果はなかった。しかし、これはまだ始まりと考えるべきだ。意見の相違を埋めるためにはお互いの立場を理解しようとする努力が必要だ。
今回の会談は最近起きた北艦艇による西海の北方限界線(NLL)侵犯と、南の民間団体による北朝鮮向けビラ散布を巡り、南北の間に銃撃戦が繰り広げられた直後に開かれたものだ。したがって、これらの案件が主な議題になったのは当然だ。NLLは深刻な問題だ。南はこれを事実上の軍事境界線と見なして対処する反面、北はこのライン自体を認めないためだ。このような根本的な意見の差を一挙に狭めることは難しい。とりあえず必要なことは平和を維持する手だてだ。過去の南北は“互いに管轄してきた区域”を尊重し、意見の対立は対話と交渉を通して合意して解決したことは何度もあった。NLLの問題はやはりこのような考え方で議論すべきだ。
北朝鮮に向けたビラ散布は、中断させる方向に向けて政府が決断を下さなければならない。政府は法的根拠がないために強制的に止める方法がないと話すが、これは事実上のビラ散布のほう助と変わりない。すでに南の住民の安全に対する憂慮と、新たな南北武力衝突の可能性が指摘されるなかで、こうした態度はあまりに消極的だ。国民も10人に6人以上がビラ散布を止めさせるべきだと同意している。止めさせるべきでないという意見は10人中で2.5人程度だ。直接的な利害関係者と言える休戦ライン付近の住民たちもビラ散布に対する制裁を政府に求めている。
今回の会談は2011年2月以後、3年8か月ぶりに開かれた。政府は30日に高官級接触をしようと北に提案している状態だ。北から軍事会談を要請したことは、高官級接触に先立ってあつれきの要因をあらかじめ議論しようという意図と見られる。政府はこれをうまく使う必要がある。偶発的であろうとなかろうと、武力衝突が再発すれば高官の接触の展望も低くなるほかはない。今回の会談で次回の会談日程を定めなくとも会談が終わってしまったのではない。重大問題について現実的な解決策を見つけるまで、持続的に“日帰り出張”式で対話を持続するのも一つの方法だ。
最近の状況は、南北間の武力衝突はどこの国にとってもメリットはないという事をはっきりと確認させてくれた。もう互いに不要な神経戦は止め、中身のある対話をしていくべきだ。すべての案件で相手を尊重する姿勢を見せることが重要である。
韓国語原文入力:2014/10/15 18:33