サムスン電子は、昨年第4四半期の営業利益が20兆ウォン(約2兆1600億円)と暫定集計されたことを8日に発表した。メモリーのスーパーサイクルが到来していた2018年第3四半期(17兆5700億ウォン)以来7年ぶりに期別の営業利益記録を更新すると同時に、韓国企業としては初めて期別営業利益で20兆ウォンを達成した。これは、人工知能(AI)産業ブームで2018年を超える半導体の超強気相場が本格化したためだ。昨年下半期からDRAMなどの汎用メモリー価格の上昇と需要増が始まり、サムスン電子の高帯域幅メモリー(HBM)の売上も伸びている。このような流れが続けば、今年の年間営業利益は100兆ウォンを突破するとの見通しも示されている。SKハイニックスも昨年第4四半期の営業利益の実績が15兆ウォン(約1兆6200億円)を超えており、過去最高水準となると期待されている。
両社が打ち立てている新記録は歓迎すべきものだが、一方では韓国経済の半導体への偏り現象に対する懸念も高まっている。昨年から始まり、年が明けても続いている韓国総合株価指数(KOSPI)の過熱は、両社がけん引していると言っても過言ではない。両社の時価総額はKOSPI全体の36%を超えている。昨年、史上初めて年間7000億ドルを突破した輸出実績も、半導体がけん引したものだ。半導体の輸出額は対前年比22.2%増となり、輸出全体に占める割合も24.4%へと拡大した。しかし石油化学(-11.4%)、二次電池(-11.9%)、ディスプレイ(-9.4%)などをはじめとする15大輸出品目のうち、9品目はマイナスとなった。韓国銀行によると、今年の成長率見通し1.8%は、IT部門を除けば1.4%にとどまる。半導体の好況が他の部門の不振を覆い隠す、いわゆる「半導体錯視」現象だ。
株価であれ輸出であれ、半導体という一つの産業に対する依存度が高すぎると、半導体景気が落ち込めば共倒れにならざるを得ない。経済のぜい弱性が高まるということだ。また、半導体産業は大企業、首都圏、高賃金の人材の比率が高いため、産業分野の違いによる格差が企業規模、地域、階層の格差にもつながりうる。結局のところ、半導体の競争力は維持しつつも他の産業部門を引き上げ、産業ポートフォリオを多角化しなければならない。防衛産業、食品、化粧品などの次世代の輸出の動力を育成する一方、石油化学、鉄鋼などの伝統的な主力産業は高付加価値製品の製造へと再編すべきだ。過度な半導体依存は韓国経済の慢性的な問題だが、近年さらに深刻化しているだけに、警戒心をもって克服策を探る必要がある。