2011年に日本で発生したマグニチュード9.0の東日本大震災が、東京の超高層ビルを直撃したらどうなるだろうか。
日本の大手総合不動産会社「森ビル」は21日、東京のランドマークの一つである「麻布台ヒルズ」について、「東日本大震災や(マグニチュード7.3の)阪神・淡路大震災級の地震が起きた場合でも、安心して事業継続が可能な耐震性能を備えている」と述べた。高層ビル3棟で構成される麻布台ヒルズの中心となる「森JPタワー」は、地上64階、高さ330メートルに達する日本一高いビル。居住や業務のために日常的に滞在する人々だけで約2万3500人、ショッピングモールなどを訪れる来訪者は年間3000万人に上る。大規模な地震が発生した場合、完璧な耐震対策がなければ、甚大な人的被害が生じる恐れがある。
6400億円を投じた「特別でなければならないビル」だが、それを踏まえても世界最高水準の耐震設計技術には驚くべきものがある。この日、森ビル側は「安全・安心な都市づくり」に関する説明会において、「建物1棟だけで、約1800基の制振装置が備えられている」と説明した。鉄製支柱が地震の揺れに合わせて伸びたり縮んだりする動きを繰り返し、地震エネルギーを吸収する約1200基の「座屈拘束ブレース」がその代表的な事例だ。また、自動車の衝撃吸収装置(ショックアブソーバー)と似た形状の「オイルダンパー」約300基が建物の骨組みの至る所に設置され、地震の衝撃による建物の損傷を抑えている。建物を支える鋼板の間に粘性物質を充填し、建物の骨組み間の軟骨のような役割を果たす「粘性制震壁」も約300基設置された。地震発生時には、従業員が建物の各階の揺れを一目で把握できるシステムを通じて安全を確保することもできる。森ビル側は「建物内部にセンサーを設置し、建物の(骨組み自体の)揺れがどの程度かリアルタイムで確認できる」とし、「この結果を踏まえて、人々に建物内部へ避難しても安全かどうかなどを案内する」と説明した。
大規模な人員の収容が可能で、誰もが知る超大型ランドマークが、災害時に最も安全な避難所としての役割を果たす点も目を引く。この建物は、地震などによる公共交通機関の麻痺で、帰宅できなくなった「帰宅困難者」3600人の避難所として活用される。森ビルが運営する六本木ヒルズ(収容人数5000人)、虎ノ門ヒルズ(5200人)などを合わせると、1万4000人余りを収容できる。予期せぬ災害に備え、これらの建物には36万食分の非常食をはじめ、マスク、女性用衛生用品、おむつなどが備えられている。この日、森ビル側は、帰宅困難者用の1日3食、3日分の非常食を公開した。簡単な食事用のビスケットや缶詰をはじめ、水を注いで食べる長期保存用のフリーズドライご飯などと共に、飲料水は1人1日3リットルが提供される。帰宅困難者用の非常食の購入に必要な費用は、東京都と、麻布台ヒルズが位置する港区が分担して全額負担する。
日本社会が法的基準をはるかに上回るレベルの耐震設計に力を注いでいる背景には、1995年の阪神・淡路大震災が大きな影響を与えている。当時、大地震が発生した際、倒壊の恐れなどから建物から逃げ出さざるを得なかったことを教訓とし、「逃げ出すのではなく、逃げ込める建物」作りに目標を切り替えたという。森ビル側は「地域の『防災拠点』になることを目指し、引き続き取り組んでいる」とし、「特に(災害による)帰宅困難者への対応については、森ビルの建物だけでなく、都心の大型商業施設や行政機関へ避難する場合でも、3日間は持ちこたえられるようになっている」と説明した。