イランは、ホルムズ海峡を通過する船舶に対し「保険料」の名目で事実上の通行料を徴収する準備を開始した。ブルームバーグ通信が19日(現地時間)に報じた。
イランのペルシャ湾海峡庁(PGSA)はウェブサイトに「ホルムズ海峡の船舶通過に関する一般および特別約款」と題する文書を掲載し、海峡を通過するすべての船舶に保険加入を義務づけることを明らかにした。この保険は、船舶がだ捕されたり抑留されたりした際、または機雷で損傷した際に、船舶の損壊で受けた損害を保障するものだという。ただし、戦争が勃発したり、検疫や税関の問題で拘留されたりした際などには損害を補償できないという例外規定が設けられている。現在はイラン政府が保険料を負担しているが、今後有料化されうるとも明記している。事実上、危険に備える保険料の名目で通行料を徴収する準備手続きに着手したと解釈される。PGSAは、米国・イスラエルとイランの戦争中にイラン政府がホルムズ海峡の通航を管理するとして新設した機関。
この文書は、船舶は必ずイランの海岸線に沿ったララク島の近くを通る指定された航路を利用しなければならず、他のルートを利用した際に生じるすべての損害、罰金、または事故に対する責任は持たないとしている。実際にこの日、パキスタン海軍がオマーン沿岸の航路で機雷が発見されたと報告しており、イラン沿岸以外の航路を利用すると危険だとの懸念が広がっている。ブルームバーグは19日現在、ホルムズ海峡を通過しようとする船舶が急激に減少していると伝えた。
ペルシャ湾沿岸の産油国や海運会社は、イランによる海峡通行料導入を阻止するようトランプ政権に求めている。業界は、通行料徴収は国際法違反であり、危険な前例となり得るとみている。
PGSAの公示した文書によると、保険加入時に発行される通航許可証は1回の海峡通航のみを承認し、発行から5日が経過すると期限が切れる。