日本メディアは、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が1日の105周年三一節(3・1独立運動)記念演説で、2年連続で強制動員被害者や日本軍「慰安婦」などの歴史問題にまったく言及せず、対日関係の重要性を強調した点に注目した。
日本経済新聞は「(尹大統領は)2023年の演説で日本との歴史問題に言及せず日本との関係強化を表明し、その後の関係改善に向けた流れにつなげた」としたうえで、「今回も元徴用工問題や慰安婦問題には触れなかった」と報じた。NHKも「尹大統領は、日韓関係について『両国は痛ましい過去を乗り越え、新しい世界に向かって一緒に進んでいる」と述べたが、「『難しい課題』については、太平洋戦争中の『徴用』をめぐる問題など、具体的には言及しなかった」と報じた。
右派の産経新聞は、尹大統領の北朝鮮関連の発言を強調した。同紙は尹大統領が「自由と人権という普遍的価値を拡張することこそが統一だ」と述べたことについて、「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が韓国を『不変の主敵』とし平和統一を放棄する政策転換を打ち出したことに対抗する姿勢を鮮明にした」と解説した。
尹大統領はこの日、ソウル市中区(チュング)の柳寛順(ユ・グァンスン)記念館で開かれた105周年三一節記念式典で、韓日関係について「自由、人権、法治の価値を共有して共同の利益を追求し、世界の平和と繁栄のために協力するパートナーになった」と明言した。尹大統領はまた、「北朝鮮の核とミサイルの脅威に対する両国の安全保障協力がよりいっそう強固になった」としたうえで、「来年の韓日国交樹立60周年をきっかけに、より生産的かつ建設的な両国関係に一段階跳躍させていくことを期待する」と述べた。
一方、日本政府の森屋宏官房副長官も、この日午後の定例記者会見で、今月20日に韓国政府主催の民主主義サミットにあわせて首脳会談が行われる見通しとの報道に関する質問について「3月20日に岸田首相が訪韓するという計画はない」と明らかにした。