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アスパルテーム「発がん性物質」分類の意味は?…WHO「摂取量の調節が必要」

登録:2023-07-15 00:50 修正:2023-07-15 09:14
アスパルテーム、キムチやピクルスなどの漬物を含むグループ2Bに分類 
体重60~70キロでダイエットコーラ1日に9~14缶が限度
砂糖の代わりに低カロリー人工甘味料が使われている「ダイエットコーラ」が13日(現地時間)、米ニューヨークの小売店に陳列されている/ロイター・聯合ニュース

 「人工甘味料の入ったダイエットコーラを飲むか、砂糖の入った普通のコーラを飲むかを決めなければならないなら、第3の選択肢をお勧めしたい。すなわち水を飲むのだ」

 世界保健機関(WHO)の食品安全の責任者、フランチェスコ・ブランカ氏は14日(現地時間)、人工甘味料「アスパルテーム」を「発がん性物質」に分類すると発表した際にこのように語った。ロイターが伝えた。同氏は「たまに飲むこともほとんどの人にとって害になりうるという意味ではない」としつつ、製造業者にすべての食品からアスパルテームを直ちに取り除くよう要求したりはしないものの、(過剰使用を控えるなどの)調節は必要だと述べた。同氏はまた「砂糖の代わりに人工甘味料を使用することがダイエットに役立つという通念には根拠がない」という今年初めのWHO報告書の内容を再確認しつつ、「私たちの主張は明確だ」と語った。

 WHO傘下の国際がん研究機関(IARC)と、WHOおよび国連食糧農業機関(FAO)の共同傘下機関「FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)」は14日、アスパルテームの有害性評価の結果を記した資料を発表するとともに、アスパルテームを発がん性物質のグループ「2B」に分類することを明らかにした。IARCは発がんの危険度に応じて1(ヒトに対して発がん性がある物質)、2A(ヒトに対しておそらく発がん性がある物質)、2B(ヒトに対して発がん性がある可能性がある物質)、3(ヒトに対する発がん性について分類できない物質)に分類している。1には酒、タバコ、加工肉などが属し、2Aには赤身肉や高温のフライなどが、2Bにはキムチやピクルスなどの漬物が含まれる。2Bは発がんの可能性があるが、証拠が限定的なものを主に分類している。

 IARCは、今回の決定は肝臓がんと甘味料との関連性に関する米国と欧州の研究の結果にもとづいて下されたものだと語った。また最近の動物研究も考慮対象になっており、一部のアスパルテームががんと関係する化学物質を含んでいるという限定的な証拠が提示されていることも考慮されたと明らかにした。IARCの論文責任者であるマリー・シュバウアー=ベリガン氏は「私たちの見解では、研究者の国際共同体がアスパルテーム摂取によってもたらされる可能性のあるがんに関する危険性をより理解し、明瞭にするために、さらなる努力が必要だ」と語った。

 JECFAは、アスパルテームの一日の許容摂取量を従来と同じ体重1キロ当たり40ミリとすると発表した。この基準は1981年に初めて制定されて以来変更されておらず、体重60~70キロの人だと缶のダイエットコーラで9~14本になる。

 一部からは、アスパルテームと発がんの関連性は弱いという意見が示されている。米ロサンゼルス「シダーズ=シナイ・メディカル・センター」のポール・ファラオ教授(がん疫学)は「IARCによる『2B』分類は非常に保守的な分類」だとし「一般大衆は2Bに分類された化学物質のがん誘発リスクについてほとんど心配する必要はない」と語った。また、国際飲料連合委員会のケイト・ロットマン理事は「WHOの今回の発表でむしろアスパルテームの安全性が改めて確認された」とも述べた。

パク・ピョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/globaleconomy/1100145.html韓国語原文入力:2023-07-14 13:38
訳D.K

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