ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が民間軍事会社「ワグネル」の武装反乱事態後、クレムリン(ロシア大統領宮)でエフゲニー・プリゴジン氏に会ったと、ロシア大統領府が明らかにした。
ロシア国営「RIAノーボスチ通信」によると、大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官はワグネルの反乱終了から5日後の先月29日、プーチン大統領がモスクワのクレムリンでプリゴジン氏に会った事実を認めたという。ペスコフ報道官は「実は大統領がそのような会合を開いたことがある。35人を招待した。(ワグネル部隊の)指揮官らとプリゴジン氏を含む同社の経営陣を招いた3時間ほどの会合だった」と述べた。
ペスコフ報道官はプーチン大統領とプリゴジン氏が具体的にどのような話をしたかについては明らかにしなかった。「一つ言えるのは、大統領が会社(ワグネル)が国防の最前線で行ったことを評価し、24日に起きた事件(武装反乱)についても語ったということだ。プーチン大統領は指揮官らの釈明を聞き、引き続き雇用される選択肢を提供した」と述べた。
先月23日夜、ワグネルの部隊は武装反乱を起こし、ロシア南部のロストフナドヌー軍事基地を占領した。ワグネルの部隊員たちはモスクワに北上し、翌日の24日夕方、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領の仲裁で反乱を中止した。当時、ロシア大統領府は「ワグネルの部隊員を処罰せず、プリゴジン氏はベラルーシに行く予定」だと発表した。
ところが6日、ベラルーシのルカシェンコ大統領が突然「プリゴジン氏はもうベラルーシ領内にいない」と述べた。さらに、プリゴジン氏はロシア第2の都市であり氏の故郷であるサンクトペテルブルクに行ったと述べた。「今朝はどこにいただろう。おそらくモスクワに行っただろう。それとも他のところに行ったのかもしれない」とも付け加えた。航空機追跡サイトによると、プリゴジン氏の専用機は反乱事態後、ベラルーシとサンクトペテルブルクを行き来していたことが分かった。プリゴジン氏は反乱事態以後、ベラルーシにしばらく滞在してからすぐにロシアに戻った可能性があるとみられている。