中国とロシアの外相が会談し、ウクライナ戦争に関して中国が仲裁の役割を果たし、ロシアがこれを支持する意思を明らかにした。
中国の秦剛外相とロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は2日(現地時間)、インドのニューデリーで開かれた主要20カ国・地域(G20)外相会議を契機に会い、2国間会談を行った。この日中国外交部が出した資料によると、秦剛外相はウクライナ事態に関して、国連憲章の趣旨と原則を共同で守護し、危機の政治的解決を支持するとの立場を説明した。秦外相は「火に油を注いだり和解や交渉を破壊する行為とのダブルスタンダード、制裁や圧迫に反対するために、共同で努力しよう」とし「中国は和解を勧め交渉を促進するのに役立つすべての努力を支持し、そのために建設的な役割を継続する」と述べた。ラブロフ外相は「中国の客観的で公正な立場と建設的な役割を高く評価する」とし「ロシアは交渉と対話の門を常に開いている」と述べたと中国外交部は伝えた。
中国はこれに先立ち、先月24日にウクライナ戦争開戦1年を迎え、「ウクライナ危機の政治的解決に関する中国の立場」と題する立場表明文を出し、ウクライナとロシアが対話を再開し休戦を模索することなど12項目を表明した。
中国のこの提案に、ウクライナ側は微妙な反応を示している。ウクライナのゼレンスキー大統領は、中国の提案内容が伝えられると、「中国政府の関心は悪くない」とし、「中国の提案に同意する部分も、そうでない部分もある」と述べた。続けて「中国が国際法と領土保全を尊重できるならば、私たちは中国と協力する必要がある」と話した。
米国と北大西洋条約機構(NATO)は中国の提案に否定的な立場だ。米国のバイデン大統領は先月26日、ABCニュースとのインタビューで「ウクライナにとって完全に不当なこの戦争の結果に対して、中国が交渉するという考えは合理的ではない」とし「プーチンが拍手を送っているのだから、良い提案だとは到底言えない」と述べた。NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長も「中国はロシアの不法侵攻を糾弾しなかったため信頼できない」と明らかにした。
一方、インドのモディ首相はこの日、G20外相会議のテレビ演説で、西欧先進国とは異なるいわゆる「グローバルサウス」のリーダー国になるとの意思を明らかにした。モディ首相は、開発途上国の声を聞かない人々は誰もグローバルリーダーシップを主張してはならないとし「インドはG20議長国として、グローバルサウスの声を上げるために努力している」と主張した。「グローバルサウス(南)」とは、西欧先進国と植民支配国が中心の「グローバルノース(北)」に対比される概念で、地球の南半球に主に集中している開発途上諸国を指す。