北朝鮮の偵察衛星関連技術は米国より半世紀以上遅れているものとみられるが、北朝鮮の公言どおり来年初めまでに急速に技術進展を遂げる可能性があるという米国専門家たちの分析が出た。
「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)は20日(現地時間)、ミドルベリー研究所非拡散センター長でありミサイル技術専門家のジェフリー・ルイス氏の話として、「これまで公開された偵察衛星の写真などを総合すると、北朝鮮の衛星はまだ技術的に大きく有意味な段階ではない。(北朝鮮が公開した衛星写真)程度の解像度では、それほど有用とはみられない」と報じた。
戦略国際問題研究所(CSIS)先任研究員であり衛星専門家のジョセフ・バミューデス氏は、「VOA」との電話インタビューで、北朝鮮の偵察衛星は「米国の衛星技術の初期である第2世代、すなわち1960年代の水準とみられる」と述べた。ただし「長い間偵察衛星開発に邁進してきた北朝鮮がついに目標を成し遂げた」としたうえで、「必要なすべての技術を備えただけに、今後性能を急速に改善する可能性がある」と評価した。
同研究所の研究員でありミサイル防衛専門家のマサオ・ダルグレン氏は「偵察衛星の開発努力は結局、長距離ミサイル技術開発に対する北朝鮮政権の意志を示している」と指摘した。さらに、「北朝鮮の偵察衛星が配備されたとしても、地域の軍事的バランスには大きな影響は及ぼすとは思えないが、衛星開発自体が北朝鮮の対外宣伝戦と弾道ミサイル研究に役立つだろう」と付け加えた。
これに先立ち、北朝鮮は国家宇宙開発局が18日に平安北道鉄山郡東倉里(トンチャンリ)の西海衛星発射場で偵察衛星開発に向けた最終段階の重要試験を行ったと、「朝鮮中央通信」を通じて19日公開した。特に衛星の分解能(解像度)は20メートル水準だと発表したが、これは写真の1ピクセル当たり幅20メートルの空間が入るという意味だ。米国偵察衛星の解像度は30センチメートル前後で、地上の自動車ナンバープレートを識別できる水準だと知られている。
これと関連して、キム・ヨジョン朝鮮労働党中央委副部長は前日発表した実名談話で、衛星写真の解像度と関連し、「誰が830秒(13分8秒)に過ぎない1回限りの試験に高価な高分解能撮影機を設置して試験を行うだろうか」と主張した。北朝鮮国家宇宙開発局が来年4月までに準備を完了すると公言した「軍事偵察衛星1号機」には高性能撮影機を設置すると予告したわけだ。