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日本、五輪“中止”避けたが…1年延期の場合は損失6408億円と推算

登録:2020-03-24 07:04 修正:2020-03-24 07:45
選手村マンション補償問題の可能性 
大型会場の再確保の保障なく 
1年延期で6408億円の損失予想
先月28日、東京都庁舎に掛けられている東京五輪の大型ロゴの前をマスクをつけた市民が歩いている様子=東京/EPA・聯合ニュース

 東京五輪が事実上延期される方向に固まり、日本国内では中止という最悪の事態は免れたと安心する雰囲気が明らかだ。しかし、五輪を行うには大規模な会場と宿泊施設の確保など新たに調整しなければならないことが一つや二つではなく、並みならぬ課題が山積している。

 橋本聖子五輪相はこの日「中止はないということでほっとしている。IOCが早い段階で適切に判断してくれるよう願う」と述べ、中止よりは延期がましだという考えをほのめかした。小池百合子東京都知事は23日、「延期を受け入れるのか」という質問に「今後(IOCにより)4週間で様々なシナリオが検討され、その中にはその言葉(延期)も入ってくるのではないか」と述べ、延期の可能性を否定しなかった。

 中止という最悪のシナリオはひとまず避けたが、2020年五輪の開催地が東京に決まった2013年から7年間準備してきた日本の立場としては、全日程を初めから再調整しなければならないこともあり得る。端的に、日本政府が東京五輪の参加選手の宿泊施設として作った選手村マンション問題がある。日本政府が東京都中央区の海浜地域の晴海に作ったこのマンション団地には、最大2万6000人の選手などが滞在する予定だ。五輪が終わり補修した後、2023年からはこのマンションを分譲された人々が入居する計画だった。しかし、五輪が延期されると一般入居のための補修工事も遅くなり、入居日程に支障をきたす。さらに890世帯はすでに分譲が終わった状態のため、入居が遅れれば補償問題が発生する。

 五輪に必要な大型イベント施設を再び確保できるかに対する保障もない。東京五輪メインプレスセンターとして使われる予定の東京ビックサイトは、普段も各種の博覧会が開かれている。通常1年半以上前から会場使用の予約を受けており、すでに2021年8月分から予約が始まった。五輪を1年以上延期するとなると、このような大型イベント会場は多くないため代替地を探すのも難しい。

 経済的損失も相当なものと見られる。スポーツ経済学の専門家である関西大学の宮本勝浩名誉教授は、東京五輪が1年延期されると1年間の競技場と選手村の維持管理費などが追加で投入され、経済的損失額は6408億円(約7兆3984億ウォン)にのぼると推算した。

 現在選抜が終わった代表選手の技量が五輪延期後もそのまま維持できるか分からない点も容易でない問題として挙げられる。1~2年以上延期されると代表をまた選ばなければならないこともあり得るが、その場合、既に選ばれた選手と紛争が生じかねないとの見通しが出ている。

 日本の世論は延期に概して賛成する雰囲気だ。読売新聞が20~22日に全国有権者1077人(回答者基準)を対象にした電話アンケート調査によると「五輪を延期する方がいい」と答えたのは69%だった。「予定通り開催する方がいい」との回答は17%、「中止する方がいい」との回答は8%に過ぎなかった。

東京/チョ・ギウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/933801.html韓国語原文入力:2020-03-24 02:42
訳M.S

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