米国が韓半島の危機鎮火のために、この地域に配備されたミサイル防御網の撤収まで提案した。 韓半島の危機高調以後、米国が提案した最も進展した対話提案だ。 対北韓影響力を唯一持っている中国に向けた措置であり、中国の反応が注目される。
中国を訪問中のジョン・ケリー米国国務長官は13日、北韓が核プログラムを撤廃すれば米国のミサイル防御網を縮小してもよいと提案した。
これは最近北韓の威嚇による韓半島危機高調により東アジアに配置されたミサイル防御網を縮小する条件で、中国が北韓に対する影響力行使に乗り出してほしいという提案だ。 この地域で強化されている米国のミサイル防御網は中国が最も憂慮する米国の軍事力強化措置だ。
去る12日から韓国-中国-日本の東アジア3国を訪問中のケリー国務長官の今回の歴訪の核心は、中国に対する対北韓影響力行使要求だ。 米国は中国を動かすために、米国国防界の念願であり、中国が最も憂慮するミサイル防御網の縮小という画期的提案を投じたわけだ。
ケリー長官はこの日、楊潔チ中国外交担当国務委員と会談後に持った記者会見で、米国は北韓が核プログラムを撤廃すれば新たに強化されたミサイル防御網を除去してもよいと示唆した。 ケリー長官は米国がこの地域でなぜミサイル防御網の増強が必要だったかを説明した後、これを撤収させると提案したと<ニューヨークタイムズ>は伝えた。
ケリー長官は「もし威嚇が消えたことが確実ならば、すなわち北韓が非核化されれば、我々が強化し前線陣地に配置された防御網のようなものをその時点で維持しなければならない蓋然性は存在しないだろう」と話した。 彼はまた「我々がそのような措置を取れるようになるのは長期的に我々の希望であり、また、それが早まればより望ましい」と付け加えた。 ケリー長官はまた「我々は北韓に対して挑発を控え、国際義務を遵守しろと共同で促す」と付け加えた。
中国はケリーのこの提案に対して今後どんな措置を取るのかを公開的に明らかにはしなかったが、韓半島非核化のために米国と原則を共にすると明らかにした。 楊潔チ国務委員は、中国政府は北韓との軍縮会談を始めるためにワシントンと共に努力するだろうと明らかにした。 しかし彼は、米国が平壌(ピョンヤン)側と対決する措置を取らないように促しもした。 彼はケリー長官との会談前に「中国は韓半島の平和と安定を維持し、非核化過程を進展させることにまい進している」として「対話と協議を通じてその問題に取り組み、平和的に解決されなければならないと主張する」と強調した。
米国政府は韓半島の危機が高まり、東アジア地域にイージス対空ミサイルを装着した戦闘艦2隻を派遣する一方、グアム米軍基地への対空ミサイル防御網配置に速度を上げている。 中国は東アジア地域での米国のこのようなミサイル防御網配置が、米国が追求する‘アジア帰還’政策の一環として中国を封じ込めようとする意図として憂慮している。
ミサイル防御網は米国防界が推進する最大懸案であり、最近になって韓半島危機の中でその必要性と効用性が米国官民の間で強調された。 米国防界と共和党側では最近の韓半島危機の渦中でミサイル防御網配置の加速化を推進している。 去る12日、米国防情報局は北韓が核弾頭を搭載できるミサイル能力を確保したという情報評価を公開した。 これを公開したドグ・ラムボーン共和党下院議員はオバマ行政府がミサイル防御網に対する投資に積極的でないためにこの情報を公開したと明らかにした。 最近の韓半島危機を利用して米国国防界と強硬保守勢力がミサイル防御網の強化を推進しているという脈絡だ。
ケリーの今回の提案は米国国内でも論議を起こすものと見られる。 <ニューヨークタイムズ>は 「ケリーの発言は米国内でミサイル防御網に対する強硬な擁護論者の間に憂慮を呼び起こすだろう」として「彼らは中国の漸増する軍事力に対応する手段として防空ミサイル体制を見ている」と指摘した。 チョン・ウイギル先任記者 Egil@hani.co.kr