クーパンが公正取引委員会による大規模流通業法違反容疑に関する現場調査を拒否し、法的対応を開始したことで、波紋が広がっている。流通業界は、今回の事態が公取委の調査方法や企業の対応にどのような影響を及ぼすかに注目している。
業界関係者は、公取委による現場調査を拒否したクーパンの対応のあり方について「想像もできない」と口をそろえる。ある大企業の関係者は「(公取委の)現場調査が拒否できると思ったことすらない」とし、「調査を完全に拒否したというのは、隠さなければならない証拠が多いことを自認しているに等しい」と述べた。企業の立場からみると、当局との対立は相当な負担を伴ううえ、公取委の影響力と地位を考慮すればクーパンの対応はなおさら異例だ、というのが業界の評価だ。別の企業の関係者は「公取委の調査に対応して行政訴訟などの法的手続きで争う例はあるが、調査官の現場入りそのものを阻むという対応は次元が異なる」と述べた。
クーパンがこのような対応を選択したのは、米国政府の通商圧力と米国内のロビー活動を根拠とする自信があるためと分析される。ある外資系企業の関係者は「米国政府の全面的な支援や強力な後押しがない限り、一般的な外資系企業は韓国の規制当局に対してこのような極端な措置は取れない」と語った。
今回の事態は単にクーパンと公取委との個別事件にとどまらず、まかり間違えば今後、企業全般に対する行政機関の市場監視機能そのものを無力化する前例となる恐れがある。業界の別の関係者は「今後、別の企業がクーパンと同様の手法で対応したら、行政機関の市場監視機能が弱まる恐れがあるため、事態の推移に注目している」と述べた。
これに先立ち、公取委はクーパンが「価格に合わせたクーポン」の割引コストを納品業者に不当に転嫁したかどうかを確認するために現地調査を実施しようとしたが、クーパンは行政調査基本法に則った7日前の事前通知義務が守られていないことを理由に調査を拒否した。公取委は、証拠隠滅の恐れがある場合は事前に通知しなくてよいとする例外事由に当たると反論したが、24日に現場から撤収した。クーパンは公取委の職権調査決定の取消しを求めて提訴している。