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韓国の中間財輸出、中国産に押されベトナムでもシェア低下

登録:2023-11-09 06:43 修正:2023-11-09 07:46
KDI、「中長期の貿易構造変化の示唆点」報告書
釜山港/聯合ニュース

 韓国の中間財輸出企業の多くは、数年前から中国市場から抜け出し、ベトナムに進出しているが、2017年をピークにしてベトナム市場でのシェアが低下している。競争力の比較優位を前面に押し出した中国産中間財に、急速にシェアを奪われているからだ。

 韓国開発研究院(KDI)は8日、「中国の建設業萎縮の影響と中長期の貿易構造変化の示唆点」と題する報告書を発表し、「中国の中間財の競争力が高まるにつれ、韓国と中国間の国際分業関係が弱まり、海外中間財市場でも中国との競争が激しくなっている」と説明した。韓国の中間財輸出企業が中国市場の代わりに進出を試みてきたのはベトナムだ。このため、韓国の中間財輸出国のうち、中国の割合は2007年の29.4%から2022年には25.7%に低下したが、ベトナムは同期間中2.0%から10.7%に急上昇した。

 ところが、中国も海外に目を向け始めた。内需を中心に実力を伸ばし、他の中間財市場を狙った。その代表的な進出先がベトナムだった。ベトナムの中間財輸入市場における韓国のシェアは2017年の24.8%をピークに下落しはじめた一方、中国はこの時期を基点にシェアを急速に伸ばしている。2017年に4.6ポイントまで縮まった両国の中間財シェアの差は、2021年には13.2ポイント(中国35.3%、韓国22.1%)にまで広がった。報告書は「(韓国と中国の差が広がる現象は)中国との国際分業構造の変化に対応して輸出市場の多角化が必要だが、国内企業の国際競争力を高めない限り、輸出多角化が効果的ではないことを示している」と指摘した。

 韓国が中間財を輸出し、中国が最終製品を作って再輸出する分業関係が弱まったのは、数値でも確認できる。2007年に韓国が中国に輸出した品目のうち中間財が占めた比重は37.2%だったが、その比重は2014年には23.6%、2022年には22.0%まで低下した。中国の中間財生産技術が発展し、あえて韓国産を使わなくても自国で生産できるからだ。中国の賃金水準が上がり、最終製品生産地としての魅力を失った点も、中国の中間財輸出の増加を後押しした。

ベトナムの中間財輸入市場におけるシェア。青が中国、赤が韓国=韓国開発研究院//ハンギョレ新聞社

 一方報告書は、中国の不動産建設会社の財務健全性の悪化に伴う韓国への影響についての分析も行った。中国の建設業の生産が10%減少すれば、中国市場への中間財(建設資材、化学および金属製品など)輸出が減り、韓国の国内総生産(GDP)が0.4%減少するという内容だ。報告書は「所得の減少に伴う間接的波及効果を含めれば、韓国経済に対する影響はさらに大きくなるだろう」との見通しを示した。

アン・テホ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1115433.html韓国語原文入力:2023-11-09 01:20
訳H.J

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