最近、韓中間の輸出競争度(重複度)が高まったという分析が出た。中国企業の競争力がそれだけ韓国企業と似たような水準まで上がってきたか、追いついているという意味だ。
韓国貿易協会の国際貿易通商研究院が5日発表した報告書「対中国輸出不振と輸出市場の多角化の推移」によると、韓国の対中輸出依存度は今年第1四半期現在で19.5%。2018年の対中輸出依存度は26.8%、昨年は22.8%であることを考えると、対中輸出依存度が急速に低下しているわけだ。報告書は「中国の自立度の向上と共に韓国の対中輸出依存度は低くなり、輸入増加傾向が強まっている」とし、「特に中間財部門で韓中両国の産業内貿易が大きく増えた」と分析した。
具体的にみると、特に目を引くのは韓国の主要な対中輸出品目である「高度技術中間財」部門で中国の「輸出自立度」が急速に高まった点だ。輸出自立度は、1の値から品目別輸入額を輸出額で割った値を引いたものだが、1に近いほど自立度が高いという意味だ。ディスプレイの場合、中国の輸出自立度は2015年の-0.137から2022年には0.899に、二次電池の場合は同期間中0.595から0.931に、自動車部品は0.421から0.619にそれぞれ上がった。鉄鋼(0.757→0.725)や機械(0.814→0.844)など伝統的な産業の中間財の自立度には大きな変化がなかった。
中国の輸出自立度が高まったことに伴い、両国間の中間財の輸出競争度(重複度)も高くなった。報告書によると、韓中間の「産業内貿易指数」は今年第1四半期0.975で、2015年(0.714)に比べて0.261上昇。同指数は「個別産業の輸入額と重複する同一産業の輸出額」を示すもので、交易国間の輸出・輸入品目の重複程度を計る指標だ。同指数が1なら輸出・輸入が完全に重なるという意味だ。報告書は「韓国が高度技術中間財を供給し、中国が再びこれを加工して完成品を世界市場に売る相互補完的な貿易構造が弱まったという意味」だと説明した。
同研究院の分析によると、最近、中国への輸出不振の穴を埋めているのはインドやベトナム、米国、オーストラリアなどだ。昨年の対中輸出は4.4%減少したが、中国を除く世界市場への輸出は9.6%増加した。中国輸出の比重が急速に低下し、中国以外の輸出市場が拡大した業種は、石油製品や石油化学、鉄鋼、自動車部品、ディスプレイ、二次電池など。2016~2022年の高度技術中間財の対中輸出は年平均4.1%増加した一方、同期間中インドとベトナム輸出はそれぞれ12.0%、10.1%増加した。米国の場合、中国の輸出依存度が下がっているほとんどの品目で輸出が増えた。昨年、米国輸入市場における韓国シェアは3.55%で、1990年(3.73%)以来最高水準を記録した。
貿易協会のチョ・ウィユン首席研究員は「中国輸出依存度が減少した品目を中心に中国外市場に輸出先の多角化が進んでいる」とし、「中国より輸出自立度が相対的に低いベトナムやインドなどで高度技術中間財の輸出が増えている」と診断した。