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韓国銀行総裁「今年最も懸念されるのは中国経済回復時の原油価格高騰」

登録:2023-01-19 06:34 修正:2023-01-19 07:52
外信記者クラブ記者懇談会
イ・チャンヨン韓国銀行総裁が18日午後、ソウル中区太平路の言論会館で開かれた外信記者クラブの記者懇談会で冒頭発言をしている=キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 韓国銀行のイ・チャンヨン総裁は、今年の主なリスク要因として、中国経済の回復による原油価格高騰の可能性を挙げた。それと共に新年には物価と景気間の相反する関係が深刻化し、金融政策をめぐる混乱が大きくなると懸念を示した。ただし、韓銀と市場間の見解の違いがすでに大きくなっている可能性は否定した。

 イ総裁は18日、外信の記者団を対象に懇談会を開き、「(今年)懸念されるのは仮想的ではあるが、中国経済の回復が(予想より)早まった場合、原油価格を上昇させる恐れがあることだ」と述べた。原油価格が高騰すれば、米国の物価も刺激を受け、連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めがさらに強化される可能性に言及したのだ。イ総裁はロシアとウクライナの戦況が悪化した場合も、最近70~80ドル台に下がった原油価格が再び上昇に転じる恐れがあると懸念した。地政学的な分節化による輸出の打撃、不動産市場のハードランディングも今年の主なリスク要因に挙げた。

 今後、韓銀と市場間の見解の相違が大きくなりかねないという懸念ものぞかせた。電気・ガス料金の引き上げなどの影響でインフレの鈍化は遅い一方、景気減速と金融不安が本格化し、さらに混乱が高まる可能性があるという意味だ。イ総裁は「韓国の場合、これまで累積したコスト引き上げの圧力が一足遅れて今年中に電気・ガス料金などに反映され、インフレの鈍化が主要国に比べて相対的に遅くなるかもしれない」とし、「金融政策をめぐるコミュニケーションの困難が深まる一年になると思う」と述べた。

 ただし、韓銀と市場間の「綱引き」がすでに始まったという見解に対しては否定的な考えを示した。13日の金融通貨委員会会議後、市場では国庫債2~50年物の金利が概ね基準金利(年3.50%)を下回る「金利逆転」現象が現れた。市場が年内の基準金利引き下げに賭けたのではないかとみられたのもそのためだ。

 イ総裁はこれに対し、「金通委委員3人は(最終金利を)3.50%、3人は3.75%とみていると明示したため、市場で3.75%と予想していた人々は予想を調整しただろう」とし、「それが金利の引き下げにつながった部分もあり得る」と語った。また「(国債はリスクプレミアムとは関係ないが)レゴランド問題以後、市場金利が大幅に上昇したが、(最近は)リスクプレミアムの低下に伴い国庫債金利も低下したと思う」と分析した。

イ・ジェヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1076260.html韓国語原文入力:2023-01-19 02:46
訳H.J

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