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韓国の昨年の貿易赤字、472億ドルで「過去最高」…今年の輸出見通しも暗雲

登録:2023-01-02 06:01 修正:2023-01-02 09:56
12月の輸出は9.5%減…減少は3か月連続 
9カ月連続で貿易収支赤字
輸出用の貨物が積まれている港=ゲッティイメージバンクより//ハンギョレ新聞社

 昨年の韓国の年間貿易赤字規模が過去最高の472億ドルに達した。昨年12月の輸出が前年同月に比べて9%以上減り、10月から3カ月連続で減少となったうえ、輸入は2%台に減少し、貿易収支は46億9千万ドルの赤字を記録した。

 産業通商資源部が1日発表した「2022年12月および年間輸出入動向」によると、12月の輸出は前年同月に比べて9.5%減の549億9千万ドル、輸入は2.4%減の596億8千万ドルだった。輸出が3カ月以上連続で減ったのは新型コロナウイルス感染症によるパンデミック初期の2020年3~8月以来初めて。

 品目別の12月の輸出実績を見ると、自動車(28.3%)と二次電池(29.7%)の輸出は大幅に増え、月間ベースで過去最高を記録した。石油製品の輸出も比較的に大幅な22.7%増となった。一方、半導体(-29.1%)や石油化学(-23.8%)の輸出は大幅に減少した。

 年間輸出規模はこれまでの最大値である2021年の6444億ドルより6.1%多い6839億ドルで過去最高を記録したが、貿易赤字の累積で色あせた。

 貿易収支は昨年4月からの赤字の流れから抜け出せず、グローバル金融危機が起きた2008年(132億6700万ドル)以来14年ぶりに年間ベースの赤字を記録した。昨年の年間貿易赤字規模は従来の過去最高記録の206億2400万ドル(1996年)の2.3倍規模であり、貿易総額1兆4151億ドル(輸出6839億ドル+輸入7312億ドル)に比べた比率は3.3%水準だ。貿易総額に対する赤字の比率は2008年の1.5%よりはるかに大きい。1996年には、この割合は7.4%だった。

 大幅な貿易収支赤字は、主にエネルギー輸入の急増から来ていると産業部は分析した。原油、ガス、石炭の3大エネルギー輸入は1908億ドルに達した。前年からの増加幅が784億ドルで、昨年の年間全体貿易赤字規模をはるかに上回った。昨年の輸入総額7312億ドルは前年から18.9%の増。

 産業部は昨年の年間輸出実績について、量的に過去最大であるだけではなく、品目が多角化した点を評価した。非メモリー半導体と電気自動車品目で最高実績が更新され、上位品目(半導体、自動車、ディスプレイ)内の比重が拡大した点を代表的な例として挙げた。非メモリー半導体の割合は前年の31.1%から39.2%に、電気自動車は15.0%から18.2%に高まった。半導体全体の輸出は前年から1.0%増にとどまり、自動車の輸出は16.4%増となった。

 地域別では中国や独立国家共同体(CIS)以外の主要地域への輸出がバランスよく増加し、特定の国への輸出依存度も低下したと、産業部は明らかにした。対中輸出は前年に比べて4.4%減の1558億1千万ドル、対米輸出は14.5%増の1098億2千万ドルとなった。対米輸出が1千億ドルを超えたのは初めて。対中輸出の減少は、昨年4月以降の中国の経済成長の減速、主要輸出品目である半導体価格の下半期以降の下落によるもの。

 産業部のイ・チャンヤン長官は「グローバルな景気減速によって、昨年10月以降、輸出も減少傾向を示しており、今年は主要国の経済成長の勢いが弱まって韓国の輸出にとってさらに困難な状況になると予想している」と述べた。主要機関の輸出見通しも暗い。貿易協会は今年の輸出が昨年より4.0%減少するものと予想しており、韓国開発研究院(KDI)や産業研究院(KIET)も輸出減少を予想している。イ長官は「新興市場と資源大国を中心に輸出市場の多角化を促進する」との方針を示した。

キム・ヨンベ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1073917.html韓国語原文入力: 2023-01-01 20:20
訳H.J

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