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韓国、6月の消費者物価6%上昇…アジア通貨危機後の24年間で最大

登録:2022-07-07 04:23 修正:2022-07-07 07:51
1998年11月の6.8%以来、初の6%台 
「体感物価」7.4%…外食物価8% 
「上方要因は多いが、下方要因は不確実」
猛暑と梅雨の余波で作柄が悪化し野菜の値段が上がった4日のソウルのある大型スーパーで市民が買い物をしている/聯合ニュース

 「一昨日はビーフジャーキー、昨日はソーセージ、今日はスンデ(豚の腸詰め)…」。食品生産会社で働くPさん(30)は、原材料費の値上げにより、製品販売価格を上げなければならないという稟議書が毎日のようにあがってくるのを見て、「暴騰する物価」を体感している。Pさんは「今日もトングランテン(ひき肉の焼きもの)とホットドッグの仕入れ原価が値上げされたので、再度売り値を引き上げてほしいという稟議書が来るだろう」と述べた。

 統計庁が5日発表した「6月消費者物価動向」によると、先月の消費者物価は、前年より6%上昇し、アジア通貨危機直後の1998年11月(6.8%)以来23年7カ月で最大の上昇率を示した。購買頻度と支出割合が高い144品目を選び作成した「体感物価」と呼ばれる生活物価指数は、7.4%に跳ね上がった。そのなかでも、食品は7.7%上昇し、「食品物価」の負担が日ごとに強まっている。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、この日午前の閣僚会議で、「サプライチェーンの再編とコロナ禍が重なり、全世界が1970年代のオイルショック以来最も深刻な物価衝撃を受けている」として、「今後、私が国民生活の現場に乗りだし、私が国民の皆さんの大変さを聞いてみる」と明らかにした。

 昨年春になり安定傾向を示すようになっていた農畜水産物は、上昇傾向を強め、消費者の負担を増やした。野菜類が前年より6%も上がり、農産物(1.6%)は5カ月ぶりに上昇に転した。大根(40%)、ジャガイモ(37.8%)、白菜(35.5%)、キャベツ(21.1%)の上昇幅が目立った。畜産物(10.3%)は、豚肉(18.6%)と輸入牛肉(27.2%)を中心に上昇し、先月より上げ幅が増えた。4人家族の食事をまかなわなければならない主婦のSさん(56)は、「最近、スーパーに買い物に行くと、特に多く買ったわけでもないのに20万ウォン(約2万1000円)を超えたりもする。食費が大幅に増えた」として、「外食を1回することさえ恐ろしい。近所の豚足屋でも、3万5000ウォン(約3600円)だったセットが、今では4万ウォン(約4200円)になった」と語った。

 コロナ禍後の日常生活の回復により需要が回復したうえ、原材料費が上昇し、個人サービス物価も上昇の勢いを増している。外食物価は前年より8%も上がり、1992年10月(8.8%)以来、初めて8%台の上昇率を示した。カルビタン(12.1%)、ジャージャー麺(11.5%)、チキン(11%)のように、よく食べる外食の品目も価格上昇が激しかった。保険サービス料(14.8%)、代理運転利用料(12.5%)などの外食以外の物価も4.2%上昇した。

 農畜水産物と個人サービス価格の上昇は、国際エネルギー価格の上昇に起因しているというのが統計庁の分析だ。国際原油価格の上昇が油類費や家畜の飼料費の上昇につながり、物価上昇の圧力が全分野に広がっているということだ。6月にも石油類は前年より39.6%上昇し、全体の6%の物価上昇分のうち1.74ポイントを占めた。景気低迷への懸念にも関わらず、ロシア産原油の輸出価格上限制が導入される可能性が高まり、国際原油価格の上昇圧力が続いている。

 統計庁のオ・ウンソン経済動向統計審議官は「物価の上方要因は多いが、下方要因は不確実だ。現在のような非常に速い上昇のスピードが続けば、7~8%台の上昇の勢いを示す可能性も排除できない」と述べた。物価上昇率は、昨年4月から2%台に増えた後、徐々に上げ幅を増やしていった。昨年4月に初めて2%台に達した物価上昇率は、昨年10月に3.2%を記録し、3%台に達するまでに6カ月を要したが、その後は上昇スピードも速まっている。3月は4.1%で4%台まで5カ月を要し、わずか2カ月後の5月には5%台に達した。物価の長期傾向を示す根源物価(農産物および石油類を除外した指数)は4.4%上がり、2009年3月(4.5%)以来最大幅の上昇となった。

イ・ジヘ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1049667.html韓国語原文入力:2022-07-06 02:12
訳M.S

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