サムスンSDIが14日、次世代バッテリーとして注目を集めている「全固体バッテリー」のパイロットラインに着工したと発表した。パイロットラインは約6500平方メートル(約2000坪)規模で、京畿道水原市霊通区(スウォンシ・ヨントング)にあるSDI研究所内に設置される。
全固体電池は、リチウムイオン電池の重要な素材の一つである電解質が液体ではなく固体のバッテリーだ。火が点かないため安全性が高く、エネルギー密度も向上する。市場調査専門機関の「IDTechEx」によると、世界の全固体バッテリー市場は2031年までに80億ドル以上に成長する見込みだ。
同社は今回のパイロットラインに「Sライン」という名前を付けた。全固体電池専用の極板と固体電解質の工程設備、セル組立設備など、新しい工法とインフラをラインに導入する計画だ。LGエナジーソリューション、SKオンを含む国内バッテリー3社のうち、全固体パイロット設備を構築すると公式発表したのはサムスンSDIが初めて。
一方、ポスコホールディングスもこの日、試作品用の固体電解質工場を着工すると発表した。ポスコホールディングスは今年2月、固体電解質技術を保有するディスプレイ素材企業の「ジョングァン」と合弁会社のポスコJKソリッドソリューションを設立している。慶尚南道梁山市(ヤンサンシ)で着工する工場は、2022年下半期から年24トンの固体電解質を生産する。24トンは電気自動車約1千台を生産できる規模だ。ポスコ関係者は「本工場で試作品を量産し、グローバルバッテリー企業と全固体電池の共同開発を推進する」と述べた。