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韓国の2月の貿易収支、輸出過去最高値のおかげで黒字転換

登録:2022-03-02 06:25 修正:2022-03-02 08:10
輸出539億ドルで20.6%増 
半導体など主要品目ともに増加傾向 
貿易収支、8億4千万ドルの黒字を記録
HMMのコンテナ船=HMM提供//ハンギョレ新聞社

 昨年12月から2カ月連続の赤字を記録した韓国の貿易収支が、2月は黒字へと転じた。新型コロナウイルス感染症の感染拡大と原材料価格の上昇に加え、「ウクライナ事態」による国内外の不確実性が高まる状況でも、輸出が2月基準で過去最高値を記録したおかげだ。輸入も2月基準で過去最大だった。

 産業通商資源部が1日に発表した「2月の輸出入動向」によると、輸出は昨年同月に比べて20.6%増の539億1千万ドル、輸入は25.1%増の530億7千万ドルで、貿易収支は8億4千万ドルの黒字を記録した。韓国の貿易収支は昨年12月、20カ月ぶりに赤字(4億3千万ドル)に転じたのに続き、今年1月は過去最大水準の48億3千万ドルの赤字を記録した。

 国際原油価格をはじめとするエネルギー価格の高騰で、輸入は2月基準で過去最高値だったにも関わらず、輸出は月ベースで過去最高水準の一日平均実績(26億9600万ドル)を記録し、貿易収支の改善へとつながった。従来の一日平均の最高値は、昨年9月の26億6千万ドルだった。輸出は20%以上増加し、2月基準では初めて500億ドルを超える記録も打ち立てた。2月基準で従来の最大は2012年の463億ドルだった。

 産業部のムン・スンウク長官は「2月の黒字転換は、ウクライナ情勢の悪化、グローバルサプライチェーンの再編などで困難な時期に成し遂げた意味ある成果であり、韓国製造業の底力を見せつけた快挙だ」と評価した。韓国貿易協会国際貿易通商研究院のチョ・サンヒョン院長は「2月中旬以降、暖房用エネルギー輸入が減り、輸出が着実に上昇傾向を示していることから、当初の予想より早く黒字に転じたようだ」とし、「輸出が経済の支えであることを改めて示した」と述べた。

 産業部は「主要品目15品目、地域向け9品目の輸出が全般的に増加し、特定品目・地域に偏ることなく全般的な輸出が成長傾向を示した」と明らかにした。

 品目別には半導体(24.0%)やコンピューター(44.5%)、ディスプレー(39.2%)、家電(14.6%)など情報技術(IT)と鉄鋼(40.1%)、石油化学(24.7%)、石油製品(66.2%)、バイオヘルス(24.7%)などが大幅に増加し、全般的な輸出増加傾向を主導した。15大主要品目のうち、自動車部品(-1.1%)を除き、全ての輸出が増えた。自動車部品の輸出減少は、車両向け半導体需給の影響による海外工場の生産減少によるものとみられる。

 地域別の輸出を見ると、米国、中国、欧州連合(EU)、ASEANの4大市場で、過去の2月のうち1位の実績を上げたうえ、中南米やインドなどの新興市場でも増え、9大地域ともに11カ月連続の増加となった。産業部は「ウクライナ情勢の悪化で不安定性が深刻化している状況だが、ロシアとウクライナへの輸出も2月まで増加傾向を維持している」と伝えた。ロシアに対する輸出増加率は1月22.1%、2月48.8%だった。 対ウクライナ輸出は、1月は13.6%、2月は21.2%増加した。

 2月の業績にも貿易収支黒字の推移が固まったと断言するのはまだ早い。エネルギー価格の高止まり、ウクライナ情勢による影響を考慮すると、依然として変動性が高い状況であるためだ。ムン・スンウク長官は「ウクライナ情勢など対外要因が輸出に及ぼす影響を最小限にとどめ、輸出増加傾向を持続的に維持できるよう、今年上半期に貿易保険に100兆ウォン(約9兆6千億円)の投入をはじめとする輸出支援対策を集中的に進める」と述べた。

キム・ヨンベ先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1032997.html韓国語原文入力:2022-03-02 02:32
訳H.J

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