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ロシアの外貨統制応戦で…韓国貿易業界「泣き面に蜂」

登録:2022-03-01 20:16 修正:2022-03-02 06:49
ルーブル貨防御のため外貨の80%売却令 
韓国貿易業界「輸出代金受けとれない」絶叫 
「決済関連の困難・資金難」5日間で138件
ロシアのウラジミール・プーチン大統領が28日(現地時間)モスクワのクレムリン宮で経済対策会議を主宰している。ロシア政府はこの日、ウクライナ侵攻をめぐる西側の制裁を乗り越えられるとの立場を明らかにした=クレムリン宮提供.モスクワ/AFP・聯合ニュース

 米国を中心とする国際社会の対ロシア制裁強化に対抗し、ロシア側が28日(現地時間)、強力な外貨統制カードを持ち出しロシア地域と取引関係を結んでいる企業に対してさらなる負担をかけている。ロシアの外貨統制措置は、貿易業者(対外経済活動参加者)に対して今年1月から確保した外貨の80%を売却するよう義務づけている。ロシア現地に投資したり、現地で貿易業に従事している企業にとっては、対ロシア金融制裁にともなう波紋に加えて泣き面に蜂だ。

 対外経済政策研究院(KIEP)のチョン・ミンヒョン副研究委員は1日、ロシア側の措置に対して「(米国などの金融制裁で)資本流出が続いており、ルーブル貨が暴落する事態を防ぐためと考えられる」として「現地進出企業らは当然影響を受けざるをえないだろう」と分析した。チョン委員は「ロシアでは過去に資本流出にともなう悪影響が実物部門に波及して景気の鈍化を体験したことが何度もあり、金融当局が攻撃的で先制的に対応する傾向がある」と話した。資本流出が激しくなると総需要を萎縮させ実物経済に波及し、これが再び資本市場に悪影響を及ぼす悪循環を防ごうというのがロシアの意図だろうという分析だ。

 半導体業界の関係者は本紙との通話で「(韓国企業のロシア法人には)現地で生産し現地で販売する数が多いため、この場合には(現地通貨である)ルーブル貨が行き来するだけなので直ちに影響を受けることはないとみている」としつつも「ロシア地域の外に輸出してドルを受け取る取引は影響を受けるだろう」と話した。ロシア現地で輸出入業務に従事する中小企業などもまた影響を受けるとみられ、ロシア側の措置の直接的対象に入らなくても、現地の資本市場が動揺しルーブル貨の価値が不安定になることにともなう間接的被害も予想される。

 ロシアの一部銀行をドル決済網である国際銀行間通信協会(SWIFT)から排除する国際社会の制裁強化発表に前後して、関連企業の間ではすでに高い危機感が形成されていた。「ウクライナ事態」の後、韓国産業通商資源部の戦略物資管理院、韓国貿易協会、大韓貿易投資振興公社(KOTRA)に設置された専門担当窓口には、被害事例が相次いで寄せられている。米国などの対ロシア金融制裁以後には「代金決済」に絡む困難を訴える企業が集中的に増加している。

 貿易協会は、「ウクライナ事態緊急対策班」に電話やオンラインを通じて24日から28日までに合計138件(101社)の困難事項が受け付けられたとこの日明らかにした。このうち代金決済関連内容が81件で58.7%を占めた。物流が43件(31.2%)、情報不足が10件(7.3%)で後に続いた。

 代金決済困難の一例として、ロシアと近隣国家に化粧品を輸出するある業者はウクライナのバイヤーから代金を受け取れずにいると貿易協会は伝えた。現地バイヤーは、ロシアのルーブル貨の価値暴落事態により代金の支払いを拒否している状況だという。この業者は銀行借入の期限延長を要請した。カラー鋼板を輸出しているある企業は、戦争勃発や金融制裁以前に結んだ契約の代金を回収できずに困難を来している。この企業は、契約物量をすでに船で送った状態だが、代金回収不能で資金難に陥っているとし、輸出資金支援を要請した。

キム・ヨンベ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1033026.html韓国語原文入力:2022-03-01 19:02
訳J.S

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