文在寅(ムン・ジェイン)大統領とサムスン電子のイ・ジェヨン副会長の頻繁な出会いに、政界・財界では大統領府とサムスンの“蜜月”を疑う視線が生まれている。大統領府は「企業と企業家を縛る理由はない」として一蹴している。
30日、文大統領のサムスン電子の工場訪問は、昨年7月のインドのサムスン電子工場竣工式出席に続き2回目だが、国内の工場に行ったのは今回が初めてだ。文大統領とイ副会長の出会いは、今年だけで5回目で、このうちイ副会長が大統領府に直接出向き文大統領に会っただけでも3回だ。企業家としては回数が最も多い。文大統領のみならず、李洛淵(イ・ナギョン)首相、ホン・ヨンピョ共に民主党院内代表なども最近サムスンの工場を訪ね、イ副会長に会ったことがある。必要以上に親密なのではないかという話が出るほどの状況だ。
大統領府は、イ副会長の個人訴訟と、経済活力向上のために企業を支援することとは全く別の問題だと一線を画した。大統領府関係者は「文大統領は人に会いに行ったのでなく、非メモリー半導体(システム半導体)を先導的に進める所に行ったまで」とし、「経済活力向上のために非メモリー半導体を育てなければならないというのが専門家の意見」と強調した。与党のある重鎮は「政府発足以後に進められた積弊清算の過程で、イ副会長を含め様々な企業家が裁判を受けた。司法壟断捜査をたどりながら、今や国民も大統領府が裁判所に対してああしろこうしろとは言えないことを知っている」として「経済活力のための歩みに癒着イメージをかぶせることは説得力が全くない」と言い切った。
政府と与党内には、経済指標が改善されず所得主導成長など政府の核心経済政策が直ちに成果を出すことは容易でないとして、現実論を展開する人々が多い。政府の政策基調を維持することとは別に、企業の設備投資と成就を促し、経済に元気を与えることも重要だという論理だ。大統領府のまた別の関係者は「サムスンの投資や政府の支援は、どちらも互いに気前よく物を施したり無理にすることではない。本来計画されていたことで、うまくできる分野で互いに協力し、政府も、企業も、経済もウィンウィン(win-win)となるようにしようという趣旨」と話した。