ギャラクシーフォルドの機器欠陥は、画面がこわれる現象とヒンジ内部の異質物発生の二種類に分かれる。画面の保護膜を除去した後に問題が発生した事例がある反面、画面の保護膜を除去しなかったのにディスプレイがこわれたり、黒くなるなど故障したケースもある。サムスン電子関係者は「検査の結果、ヒンジの上側と下側に小さなスキ間があり、衝撃に脆弱だという事実を発見した」として「スキ間を減らす方案を検討中」と説明した。この関係者は「ヒンジ内から異質物が発見されたケースの場合、外部から流入したものではないと見ている」として「異質物がどうして生じたのかは、さらに詳しく調べなければならない」と付け加えた。
ギャラクシーフォルドの耐久性は、製品発売の数カ月前から論議の的だった。インターネット・コミュニティでは、サムスン電子が公開した動画と写真に基づいて「ヒンジの下のスキ間にホコリが流入する可能性がある」、「浮き上がったヒンジの間に、硬い物質が挟まれば、それにより破損するようだ」との懸念が相次いだ。実際に試演製品を受け取った米国の情報通信(IT)メディア「ザ・バージ」の記者は、ヒンジ内に流入した異質物によって機器の真ん中が膨らんだ様子を機器欠陥の根拠として提示した。
画面の品質も問題だ。強化ガラスでカバーされた一般のスマートフォンとは異なり、サムスン電子はギャラクシーフォルドには透明ポリイミド(CPI)フィルムが使われている。自由に形状を曲げられるが、ガラスに比べてきずと外部衝撃に弱く、プラスチックであるため接着力が弱いという特徴がある。一方、スマートフォンのライバルメーカーであるアップルは、2017年から「曲げられるガラス」として知られる超薄膜強化ガラス(UTG)の開発に投資している。
業界は、サムスンが“世界初”のタイトルのために、無理に発売を推進したと見ている。予定通り今月26日に発売されるならば、ギャラクシーフォルドは消費者の手に握られた最初のフォルダブル・スマートフォンになる。サムスンが、中国の華為(ファーウェイ)などと1等競争をするあまり、未完成の製品を出したという評価だ。自社テストを過信した点も指摘されている。サムスンは、機器を20万回ずつ開閉し、高温・低冷環境に入れてみて「極限テスト」をしたと自慢したが、工場外の実生活で発生する異質物と衝撃には降参した。サムスン電子にヒンジを納品したKHバテックも「製品の発売直前まで商品を点検したが、ここまで問題が発生するとは分からなかった」と釈明した。
サムスンが作った市場の空白は、ライバルメーカーが素早く埋めている。華為は、メイトXを今年7月に発売することにし、ロヨル(Royole)はこの日からフォルダブル・スマートフォンの「FlexPai」の事前販売に突入した。